Eve、ファンとの距離縮めた特別な日に 歌と演奏をストレートに届けた『CANDY』レポ

 Eveが、10月30日渋谷WWW Xにて『CANDY』を開催。専門学校HAL(東京・大阪・名古屋)CMタイアップソングとしても知られる楽曲「レーゾンデートル」をApple Music/iTunesにてダウンロード購入した人の中から抽選で500名を招待した無料ライブだ。

 2018年の『メリエンダ』ツアー以降、Eveのワンマンライブは1000人規模の会場でしか行われていないため、ステージとフロアがここまで近いライブは貴重だ。さらに、毎ツアーのチケットは即ソールドアウト。Eveはライブ以外の活動では自身の姿は出さず、音楽×映像による作品を発表しているため、この日初めてEveの姿を目にした人も少なくない。

 暗転したステージにバンドメンバーが入場しスタンバイを終えると、続けてEveが登場した。あまりにもナチュラルな登場だっただけに、パッとEveだと気づかなかった人もいたようだった。しかし彼がEveだとわかった瞬間に会場中が高揚し、そのままライブ初披露の「レーゾンデートル」がスタート。立て続けに「ナンセンス文学」「アウトサイダー」と人気曲を披露した。

 Eveのライブは、ツアーごとに映像や演出面で世界観を作り込むのが特徴だが、この日のステージはいたってシンプル。会場のムードを高めたり、曲の雰囲気を伝える効果的な照明を用いながら、歌と演奏そのものを届けるようなスタイルが取られた。

 エレキギターを手に、誰しもが経験するような後悔が歌われた「sister」、再びライブ初披露曲で〈もう貴方は独りじゃないから〉という強いメッセージが込められた「闇夜」、アコースティックギターに持ち替え、終末への寂しさを歌った「君に世界」。シンプルなステージングだったからこそ、Eveの歌、一つ一つの曲の言葉に向き合えた時間だったように思う。

 幽玄なギターフレーズが鳴ると、大きな歓声が湧いた「トーキョーゲットー」。そのまま「ドラマツルギー」「ラストダンス」と、キラーチューンのオンパレード。テンションが高まり、ステージぎりぎりでオーディエンスを煽りながら歌うEveの姿も。そして、あっと言う間に迎えたラストは「バウムクーヘンエンド」。こちらもライブ初披露にもかかわらずサビではシンガロングが起こっていた。

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