LUNA SEA J×西川貴教、KID×lynch. 葉月、Migimimi sleep tight…コラボが生む新たな魅力
独自の感性がより浮き彫りになったMigimimi sleep tight
一方、コラボレーションにより、元来持っていた魅力が増すこともある。Migimimi sleep tightは、V系シーンのど真ん中で活動していた元メガマソの涼平(Vo/Gt/Pf)と、the telephonesの松本誠治(Vo/Dr/Per)という意外な組み合わせの2人を中心に、NEXTRADEの宮川依恋(Vo)、元FUNKISTのJOTARO(B)の4人で結成されたバンドだ(JOTAROは2018年に脱退)。
このバンドには、結成当初から“君の人生で一番泣けて、一番踊れるバンド”というテーマがある。7月にリリースされた、全曲気鋭アーティストらとのコラボレーションによるミニアルバム『CONTINUE TO LOVE』は、主にサウンド面で、そのテーマに挑戦した作品と言えよう。
例えば、表題曲では、鍵盤のトロピカルな音色と、ゲストボーカルのおのしのぶ(Her Ghost Friend)のウィスパーボイスが甘さを、マイナー調の旋律が胸に迫る切なさを表現している。V系バンド・マルコのギタリスト、akiraをフィーチャーした「GUITAR GARDEN」は、エレクトロミュージックと、歪んだギターが掛け合わさり、そのピーキーなサウンドにのる宮川依恋の歌声は、泣き出しそうな情感がこもっている。このバランス感覚が絶妙だ。コラボレーションによって、もともとバンドの強みであった、異なるジャンルのものをうまく共存させる感性が、より研ぎ澄まされているように思う。
共作やコラボレーションにより、思わぬ一面を垣間見ることができたり、もともと持っている魅力が浮き彫りになったりと、他のミュージシャンとの関わりによって生まれる化学反応は、リスナーの予想はもちろんのこと、当人たちの想像をも超えることがある。これも、音楽がみせてくれる魔法のひとつなのかもしれない。