乃木坂46 久保史緒里、向井葉月、早川聖来……『セラミュ』に見る若手演技派メンバーへの期待

 さらに、4期生からは早川聖来と田村真佑が出演。今年4月上演の4期生初公演「3人のプリンシパル」以降で、4期生が舞台に出るのはこれが初となる。早川は16公演中11公演で2幕に出演するという、かつての久保を彷彿とさせる演技力で「3人のプリンシパル」を駆け抜けた。田村は20歳の4期生では最年長メンバー。今回のキャストでは、一人舞台経験の少ない田村だが、それはつい最近まで向井も同じ立場であった。この『セラミュ』への出演を機に、新たな個性が現れることを期待している。

 今年の「乃木坂46版『セラミュ』」は、昨年に比べ期間が短いものの、11月に中国・上海にて上演されることも決定している。長く続く『セラミュ』の歴史において、海外公演は2015年1月の上海公演以来であり、もちろん乃木坂46版としては初。筆者も昨年、天王洲 銀河劇場に「乃木坂46版『セラミュ』」を観劇しに行ったのだが、『セラミュ』自体のファンという層も多くいるのが、この舞台の特徴。“世界中の女の子たちの夢”である『セーラームーン』を演じるということは、『セラミュ』ファンからも厳しい目線で観られることを覚悟しなければならない。

 だからこその、久保を座長とした再演、そして海外公演なのではないだろうか。乃木坂46としては、10月25日、26日に上海メルセデス・ベンツアリーナにてワンマンライブを経ての、『セラミュ』上海公演となる。2017年11月のシンガポールを皮切りに、乃木坂46はアジア進出を活発化しており、その一端を担うのが「乃木坂46版『セラミュ』」だ。昨年の「Team MOON」「Team STAR」が『セラミュ』の期間を経て結束を高めたように、今年のセーラー5戦士もより絆を深めることだろう。そして、世界の『セラミュ』ファンにも認められるほどの演技で会場を驚かせてほしい。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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