甘い暴力「ちゅーしたい」、POIDOL 絢瀬ナナの“踊ってみた”も TikTokはV系の新たな入り口に
TwitterやInstagramと共に、今やスマホアプリの代表的存在となったTikTok。音楽に合わせたリップシンク(口パク)の自撮り動画や、ダンス動画を誰でも簡単にシェアできるアプリだ。ユーザーは女子高校生を中心に、10代から20代の若い女性が多い。TikTokでは、好きな楽曲を動画のBGMとして使用できる。人気の楽曲は、TikTok内だけで数億回再生されることもあるようだ。TikTok内で人気の高い楽曲の中には、なんとヴィジュアル系の音楽もあった。今回はそんなTikTokとヴィジュアル系について考察してみたい。
TikTokでバズったヴィジュアル系の楽曲といえば、まず浮かぶのが甘い暴力の「性欲うさぎ」だ。この楽曲は1万人以上のユーザーがBGMとして使用しており、人気雑誌『egg』(2014年休刊、2018年WEB版として復活)の専属モデルなどのインフルエンサーも同楽曲をBGMにした動画を投稿していた。最も高く評価された動画は、3万以上の “いいね”がついているようだ。「性欲うさぎ」がここまでTikTok内に広まった理由は、“盛れるBGM”だからだろう。TikTokでは、BGMに合わせてリップシンクを行なうのが一般的。そのため、歌詞のかわいいBGMを使えば“盛れる動画”を撮ることができるのだ。〈だって 私 うさぎなんだもん〉という甘えた女の子の台詞から始まる「性欲うさぎ」のサビは、その観点からTikTokユーザーの中心である層のニーズにぴったりとハマったのだ。実際、この曲をBGMにした動画は、若い女性の自撮りが多い。同じ甘い暴力の「ちゅーしたい」もTikTokで人気が高いが、〈ちゅーしてお願い‼(いいよ)〉という掛け合いから始まるこの曲は、カップルや友達同士などで撮ったものが多い。歌詞に合わせて、ラブラブ感や仲良し感を醸し出す動画がほとんどだ。
さらにMAMIRETAの「お邪魔します」、BugLugの「しこたま」、ビバラッシュの「踊らされた人生」など、TikTok内で人気の高いヴィジュアル系の音楽は他にも多数存在する。この3曲は振付に合わせて仲良しグループで踊ったり、髪を振り乱してヘドバンしたりと、“可愛さ”よりも“楽しさ”を重視した動画が多い。ライブで盛り上がるノリの良い曲や、キャッチーで中毒性の高い曲は、TikTokでも同じように楽しまれているようだ。