スカパラ、三代目JSB、Creepy Nuts、CKB、SPiCYSOL……魅力的なコラボが堪能できる新作

クレイジーケンバンド『PACIFIC』(通常盤)

 デビュー20周年を迎えても絶倫ぶりは止まることなく、(ほぼいつも通り)1年のスパンで届けられた通算19枚目のオリジナルアルバム『PACIFIC』のテーマは、ずばり“港街(≒ヨコハマ)”。〈色んな国のコンテナが行く〉(「Tampopo」)というフレーズ通り、港町にはありとあらゆる物資、文化、人種、感情などが渦巻き、混ざり、通り過ぎていく。その雑多にして人間くさく、奥深い魅力に溢れた世界は、CKBの音楽——ソウル、ファンク、アシッドジャズ、ヒップホップ、ロックンロール、ボサノヴァ、歌謡曲などが入り混じった”セルフコライト状態”ーーと直結している。横山剣の脳内サンプラーの性能はさらに向上。どこかで聴いたことがあるような、でも、決して触れたことがない楽曲をたっぷり堪能できる。2019年秋公開『影に抱かれて眠れ』主題歌「場末の天使」のいぶし銀のブルーズにもシビれる。

クレイジーケンバンド -「Tampopo」MUSIC VIDEO
SPiCYSOL『FREEーEP』

 サーフカルチャーを背景に、ロック、レゲエ、ヒップホップ、R&Bなどを織り交ぜた音楽性で徐々に知名度を上げているSPiCYSOL。今年1月に発表されたEP『FREE-EP』と対になる新作EP『EASY-EP』はメンバー間のコライトにより、さらに多様性を増したサウンドが楽しめる1枚。軽快なギターカッティングときらびやかなシンセを用いた「Traffic Jam」、沖縄出身のラッパー・Rude-αを招いた、ゆったりとアガれるヒップホップチューン「The Night Is Still Young feat. Rude-α」、ラテンのフレイバーをたっぷりと振りかけた「Fresh Go」(ブラジル発祥のビーチ・スポーツ『フレスコボール』公式応援ソング)などを収録。

SPiCYSOL - The Night Is Still Young feat. Rude-α [Music Video]

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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