雨のパレード、アジアで急上昇する人気と「Summer Time Magic」にみるブレイクの予感

 情報過多な定額制音楽ストリーミングサービス時代。課題は、楽曲リリース数の増加を補うメディアの対応力だ。月刊紙媒体では紹介しきれず、日に数十本の配信を行うニュースサイトですらシーンの全貌を捉えることは不可能に近い。そんな世の中に合うメディアアプローチとなるのが、定額制音楽ストリーミングサービスが提案する“プレイリスト”なのだと思う。

 特にSpotifyに顕著なのが、リスナーとアーティストをマッチングする媒介としてのプレイリスト価値だ。ジャンルやシチュエーション、入門編やマニアック度に応じて数種パターンのプレイリストを用意して、タイトルやカバーアートへもこだわり、日々メディア的にアップデートされている。そこには、楽曲レビューもインタビューも紐づけられていないのだが、タイトルやカバーアート、曲順などに批評的な意味合いがもたらされ、作品に付加価値を与えている。結果、ダイレクトなリスナーの反応からアーティストに火がつきやすい好循環が広がりはじめている。

 そんななか、福永浩平(Vo)、山﨑康介(Gt)、大澤実音穂(Dr)の3人組バンド・雨のパレードの楽曲のプレイリスト人気が急激に高まっている。Spotifyでは日本のポップシーンを彩る楽曲を紹介する公式プレイリスト『Tokyo Super Hits!』、夏を盛り上げる『Summer Time』、デイリーでの人気を可視化する『Spotify Japan急上昇チャート』、日本ロックシーンの話題作を集めた『J-Rock Now』、深夜のリラックスタイムでチルしたいときに聴きたい『Midnight Chill』、そして筆者がキュレーションする『キラキラポップ:ジャパン』などにもリストインする常連アーティストだ。


 定額制音楽ストリーミングサービスの付加価値として、「ワールドワイドに広がるネットワーク」を持つ海外への広がりに着目したい。実際、雨のパレードは海外人気が急上昇中だ。

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