『離さない 離さない』インタビュー

新浜レオンが語る、歌手活動の原点と譲れない夢「垣根や世代を越えて愛される歌手になりたい」

「好事魔多し」という故事を胸に

ーー歌手になることについて、最初は反対されたそうですね。

新浜:はい。母親から、猛反対されました。やはり父の苦労をずっと見て来ていたので、「同じ苦労をすることはない」と。「大学に行った意味も含めて、よく考えなさい」と言われました。ただ僕は、考えた上での結論だったので、最終的には理解してくれて、今は心強い応援団の一人です。

ーー父親は厳しいですか?

新浜:歌に関しては、一度も褒めてもらったことはありません。

ーー親子であり師弟のような関係でもあるという部分で、余計に厳しいかもしれないですね。

新浜:褒めてもらえた時が、やっと一人前として認めてもらえる時なんじゃないかって思います。

ーー二世の方が芸能界デビューする時に、最初は二世であることを隠す方も多いし、二世であることで周りからの評価が厳しくなることもあります。それを敢えて出すと言うのは、自分から険しい道を選んでいる気がしますけど、なぜその道を選んだのでしょう?

新浜:父親は自分の原点ですし、大きな背中ではありますけど、いつか絶対に自分の力で越してやるんだという意気込みの表れです。父親というプレッシャーに押し潰されず、新浜レオンの歌の実力を知っていただいて、逆に「父親は高城靖雄だったんだ」と、後から知るというような存在になっていけたらと思っています。いつか自分のワンマンステージをやれるようになったら、そこに父親をゲストで迎えることが出来れば、それが恩返しになるんじゃないかと思っています。

ーー高校野球時代の友人は、歌手になったことについて何と言っていますか?

新浜:僕はキャッチャーでキャプテンもやっていたんですけど、僕とバッテリーを組んでいたピッチャーだった友だちが、今年育成枠でプロに入ったんです。「道は違うけれど、共に頑張ろう」と話しています。先日も話したんですけど、当時は本音でぶつかり合っていた仲なので、久しぶりにその頃の熱い気持ちがよみがえりました。

ーー今はデビューしたばかりで気が張った状態だと思いますけど、家でリラックスする時は、どんなことをやっていますか?

新浜:まだオンオフの切り替えが出来なくて。一日中緊張しっぱなしで、家に帰ってもその日の反省が続いて、ゆっくりと眠れる日がまだないくらいです。でも今は、それでいいと思っています。そういう時期だと思うので。でも先日お休みをいただいた日に、海に釣りをしに行きました。イシモチとカレイを狙ったんですけど、一匹も釣れませんでした(笑)。でも何も考えずに竿を振っている時間が、リフレッシュになりましたね。

ーーお客さんのことは考えず、魚のことを考えて?

新浜:お客さんのことを考えてなかったかと言われると、決してそうではなくて。釣りをしながらふと自分の歌を口ずさんでいて、「こういう風にも歌えるな」って思ったり、無意識に考えてはいるみたいです。だから単なるリフレッシュでもなく、発見する部分もたくさんあったり、次はもっと頑張ろうという、より前向きな気持ちにさせてくれた。魚は釣れませんでしたけど、得るものはありました。

ーー魚屋に寄って帰ったんですか?

新浜:いえ、そういう嘘はつきません。あ、でも、ちょっと見栄は張りました。「釣れたけど小さかったから逃がした」って(笑)。

ーー今後の目標や将来の夢について聞きますが、やはり『NHK紅白歌合戦』出場は夢ですか?

新浜:もちろんです。高校野球では甲子園に行けなかったのですが、歌手としては『紅白』という舞台が甲子園だと思っています。これは夢と言うより、絶対に叶える目標です。それと、高校野球で最後の夏の大会では、ZOZOマリンスタジアムで負けてしまったんです。そこでリベンジの気持ちを込めて、ZOZOマリンスタジアムでライブをやりたいですね。これもでかい目標ですけど、必ず実現させてみせます!

 そのためには、新浜レオンという名前と「離さない 離さない」という歌を、全国のみなさんに知っていただくために、どこへでも行って、ひと声でも聴いていただけるように頑張っています。目標に一歩でも近づくために、今はそれを積み重ねていくだけです。

ーー「離さない 離さない」というタイトルですが、レオンさんが離したくないと思うものは何ですか?

新浜:自分の今の心です。今の自分があるのは、決して当たり前のことではない。すべてのことに感謝している今の初心を忘れず、いつまでも持ち続けていきたいです。

ーーキャリアを重ねると、それが大変になるんですよね。つい調子に乗ってしまう時が……。

新浜:やはり、そういうものですか。大学の先輩(※筆者も大東文化大学出身)の言葉なだけに、説得力があります(笑)。でも、「好事魔多し」という故事がありますけど、本当にそうなんだなって思いました。デビューするまでは、「いいね」という良い言葉をいただくことが多かったのですが、デビューしていちプロになってからは、「ここがダメだ」など、ダメだしのような意見をいただくことが増えたんです。世間からそういう現実的な言葉をもらうようになって、改めてプロの厳しさを実感しているのですが、これは本当にありがたいことです。

ーー期待されていればこそですね。

新浜:そういう言葉をくれた人たちからも認められるように、頑張っていこうと思います。

(取材・文=榑林史章/写真=池村隆司)

デビューシングル『離さない 離さない』

■リリース情報
デビューシングル『離さない 離さない』
発売中
価格:1,204円(+税)

<収録内容>
1.「離さない 離さない」
作詞:渡辺なつみ 作曲:大谷明裕 編曲:矢野立美
2.「心奪って」
作詞:渡辺なつみ 作曲:大谷明裕 編曲:矢野立美
3.「青春時代」
作詞:阿久悠 作曲:森田公一 ※カバー
4.「離さない 離さない」オリジナルカラオケ
5.「心奪って」オリジナルカラオケ

新浜レオン 公式サイト
新浜レオンTwitter

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