WONK/向井太一ら40組出演『TEN’S TOKYO』が音楽シーンを担う役割 2周年イベントを見て
日付が変わり、UNICEやSALOONでも多数のアーティストが各フロアを沸かせるナイトタイムに差し掛かると、さらにアーティストも観客も熱量が高くなる。メインフロアでは、WONKをはじめ数々のミュージシャンの音楽を支える安藤康平のソロプロジェクト・MELRAWがDJを携えたBEAT SETで、変幻自在かつ強靭なサックスの演奏を披露し観客からは拍手とどよめきが起こった。続いて、DJのKosuke HaradaとTakahiro Minami (0dB)のVJが織り成す音像を可視化したような世界観のパフォーマンスは、オーディエンスも五感を集中させて食い入るようにステージを見つめているのが印象的だった。また、夜も深くなりヒップホップ色が濃くなってきた頃のメインフロアには、2018年にジョイントアルバム『la blanka』をリリースし大きな注目を集めたSweet William×Jinmenusagiが登場。Sweet Williamが硬いビートと甘さとアンニュイさのあるメロディで構築していくビートに、Jinmenusagiが時に攻撃的なラップ、時にメロウな歌を乗せていき、二人の絶妙なコンビネーションに聴き惚れてしまった。
イベントが後半に差し掛かると、姫路発のクルーMaisonDeの一員でもありシーンの注目株Shurkn Papや、沖縄出身の新たな才能・3House、そしてGottz & MUD(KANDYTOWN)が登場し、畳み掛けるようなアグレッシブなパフォーマンスと一気にヒートアップした観客でフロアが揺れ出した。Gottz & MUDのステージにはKANDYTOWNの面々も援護射撃として登場し、観客も一緒にサビのフレーズを歌ったり飛び跳ねて踊ったりと、一体感に包まれた。全てのライブアクトを終えた後も、その勢いが止まぬままオカモトレイジ(OKAMOTO’S)やNINAらがDJで会場を盛り上げ、UNICE、SALOONを含め各フロアで目を離せないパフォーマンスが朝方まで続いたのだった。
アーティストとリスナー、ライブとDJ、アーティスト同士をそれぞれ「コネクト」していくことーー。それがこの日のイベントで顕著に感じた『TEN’S TOKYO』というプロジェクトの立ち位置だ。普段同じイベントには揃わないような顔ぶれが集結することで、足を運ぶ人が目当てのアーティスト以外も知るきっかけができるし、それぞれのアーティストもジャンルをクロスオーバーして自分たちの音楽を提示できる。ラフさや柔軟さなどを持ち合わせたテン年代の空気感を、一つのムーブメントとして生み出せる場所がこの『TEN’S TOKYO』ではないだろうか。世の中全体の情報量が莫大に増えた便利な時代の中でも、その足を運んで音楽を知ることがやっぱり楽しいと改めて感じることのできるイベントだった。
(取材・文=神人未稀、写真=photo by Pay a.k.a Wildpit¢h)
TEN’S TOKYO Twitter
TEN’S TOKYO Instagram
■イベント情報
『TEN’S TOKYO 2nd Anniversary』
Supported by COCALERO
日時:2019年6月7日(金)
OPEN 19:00/CLOSE 5:00
会場:代官山UNIT/SALOON/UNICE
<ARTIST LINEUP>
-UNIT-
WONK
Sweet William & Jinmenusagi
向井太一
MALIYA
Opus Inn
YonYon
Gottz&MUD
Shurkn Pap
3 House
オカモトレイジ
MELRAW (BEAT SET LIVE)
MONJOE(DATS)
Kai Takahashi(LUCKY TAPES)
Kosuke Harada × Takahiro Minami (0db)
NINA
-UNICE-
MASATO
Minnesotah
Dumbon
OKUYAMA
Mogi
D-1×Kromagnon
-Art Exhibition-
DENALI
SUGI
FONIKS
-SALOON-
LafLife
Matzuda Hiromu
UNA +MATCHA
BIG-8
Sea
shin
このまま×HakubishiN
FAME
MOSSGREEN