KinKi Kidsに漂う平和な空気 ふたり仲睦まじく“打ちひしがれ事件”振り返ったラジオを聞いて

 とは言いつつも、生放送でも、収録でも、KinKi Kidsはいつだって素のやりとりが面白いことを私たちは知っている。4月22日放送回の『KinKi Kidsどんなもんヤ!』では、オープニングから堂本光一の小学生男子のような下ネタで、リスナーのペンネームをイジりまくり、バキューン音が炸裂。そんな堂本光一の悪ふざけを「なんですか?」と1回振りながらも「いやいや」と堂本剛が冷静にツッコみ、堂本光一が「ごめんなさいっ!」と回収されていく。そんな阿吽の呼吸が実に心地よいのだ。

 ゆるいのに、気づけば、まるでもともと狙っていたかのような笑いが生まれる不思議な空間。仮に歌詞を間違えたとしても、エンタメとして成り立ってしまうのは、その後のふたりの空気感そのものが、私たちを楽しませるひとつのショーになっているからだろう。

 ティッシュカバーをつける/つけない、保湿をする/しない……ラジオを聞いていれば、ふたりの意見が一致することは珍しい。それぞれのこだわりを話すとなると、多くの場合は平行線で終わりそうだが、なぜかKinKi Kidsのふたりが話すと、クスクス笑えるのだ。

 それは、きっと堂本光一が言うように「結局、なんかイヤやなとか、いいなって思うことは、相手に好感を持ってるか、持ってないかの違いやな。好感持ってたらどうであろうといいもんね(笑)」ということなのだろう。

 どちらかの意見を押し付ける結論は出さない、という結論。KinKi Kidsの討論は、いつだってそんな調子だ。違いは違いのまま受け入れ、お互いの努力を信頼しているからこそミスがあっても笑って許しあえる。その余裕こそ、KinKi Kidsに漂う平和な空気を作り出しているようだ。手堅くいこうとガチガチになりすぎず、しっかりと準備した上で本番こそゆとりを持って楽しむこと。新しい時代も、彼らのいい感じに肩の力が抜けたやりとりにニヤニヤしながら、新たな微笑ましい事件が起こるのを待ちたい。

(文=佐藤結衣)

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