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『MUSIC FOR ANIMATIONS』インタビュー

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND、音色や響きを突き詰めたアニメ音楽の歩み

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『ウィッチ☆クラフトワークス』はTECHNOBOYS延長線として取り組んでいた

――みなさんが劇伴なども含めて本格的にアニメ楽曲を手掛けていくきっかけとなった『ウィッチ☆クラフトワークス』や『トリニティセブン』の楽曲はいかがですか?

松井:『ウィッチ☆クラフトワークス』まではEDテーマやOPテーマを提供する機会があまりなかったので、どういう路線を求められているのか考えた結果、最初にかっこいい路線のものと、かわいい路線のものを2曲用意したのを覚えています。

――その結果、最終的にかわいい路線のものが採用された、ということですね。

松井:そうです。そのときは僕もフジムラも現場にはいなくて、石川だけが現場に向かっていて。石川から「井澤(詩織)さんの歌を聴いた瞬間に『勝った!』と思った」という話を聞いて、「カエサル?」と思いました(笑)。「行った、聴いた、勝った」って、「来た、見た、勝った」(=ローマの将軍カエサルが、紀元前47年のゼラの戦いの勝利を知らせた際の名言)じゃないか、って(笑)。

フジムラ:(笑)。その後年末に試写会があって、監督が「すごくいい曲だし、絶対に売れるよ」と言ってくださっていたし、僕らもいい曲ができたなと思っていたので、「ヒットしてくれるのかな?」という感覚はありましたね。

――海外のクラブミュージックが好きな人たちの反応もすごかった記憶があります。

松井:もともと僕らに話が来たのも、それが原因だったはずですよね。でも、劇伴まで僕らがやることになるとは全然思っていなかったです。

フジムラ:ただ、監督が「踊るテクノではないテクノ(=エレクトロニカなど)を劇伴に使いたい」とおっしゃっていたので、それなら僕たちが思うテクノと近いな、と思いました。

松井:それを逆に、「踊れるテクノポップ」に振り切ったのが『トリニティセブン』ですね。「TECHNOBOYSをくれ」と言われたのは、これが初めてだったような気がします。

石川:ただ、僕らは踊れるテクノを作っている意識はなかったので、作品のことを考えても「これは踊れるようにしなきゃな」と思って考えていきましたね。

フジムラ:『トリニティセブン』はPVもとてもお洒落でしたよね。監督とお話したときも、ちょっとエッチな要素もある作品で、「そこで音楽もベタに行くのは嫌だ。お洒落に見せたい」というお話をずっとされていたし、「これはやるしかないだろ!」と。

TVアニメ「トリニティセブン」 番宣1

松井:あと、この作品ではキャストの声を先に収録させていただいて、それを劇伴に織り交ぜるというアイデアをプロデューサーからいただいたので、先回りして色々な音を準備しました。

フジムラ:まだアフレコがはじまっていない段階だったので、キャストの方々も戸惑っていたと思います(笑)。きっと「何だろうこれ?」と思っていたはずなんですよ。

松井:でも結果的に、「すごくよかった」という感想をいただいたのが嬉しかったですね。

――2000年代の中盤からアニソンがさらに進化していったと思うのですが、みなさんが『ウィッチ☆クラフトワークス』や『トリニティセブン』の音楽を手掛けた2014年頃には、アニソンの外でやっていたことをそのままやっても面白がってくれる、という雰囲気は感じていましたか?

松井:僕ら自身がこのタイミングまでは外側の人間だったので、「自分たちがやっていることがどういうことなのか」ということは、あまり理解できていなかったかもしれないですね。石川はアニメの仕事をしていたので、計算していた部分があったのかもしれないですけど。

フジムラ:『ウィッチ☆クラフトワークス』については、僕はいつも言っていますけど「これで終わり」だと思っていたので、TECHNOBOYS延長線として取り組んでいて。僕と松井はアニメの劇伴自体もはじめてだったので、実験をするような余裕はなかったですね。

松井:たぶんですけど、石川は僕らを見ながら「こいつら間違ってるなぁ。……よし!」と思ってたんじゃないかと思います(笑)。後から思えば。

石川:その「間違っているけど面白いところを切り取る」という感じです(笑)。


――『トリニティセブン』も『ウォッチ☆クラフトワークス』も、当時「アニメでもこんなにお洒落な音楽が使われるようになったんだな」と感じたのを覚えています。

石川:『トリニティセブン』の錦織博監督も、『ウィッチ☆クラフトワークス』の水島努監督も、そういうものに飢えていたのかもしれないですね。彼らはもともと、音楽が好きな人たちですから。そういうことができる作品が来たら「こんな風にしよう」ということを、ずっと考えていたんだと思うんですよ。それが僕らと上手く合致したのかな、と思います。

――そこでの経験が、以降の制作にも影響を与えていった部分はありますか?

石川:我々としては、作れば作るほど自らの首を絞めていくことになるんですよ。どんどんアイデアはなくなっていくので、アップデートしていくか、何かをスライドさせてくるか、ということをしなければいけない。

松井:それまでの僕らは、数カ月かけて一曲を作っていくようなバンドで、時間をかけて「この音はいらないな」とか「この音はこうしよう」ということを、かなり吟味していたんです。これは2014年の2ndアルバム『good night citizen』のときも本当にそうで。

石川:そこからアニメの様々な楽曲を手掛けて、自分たちで自分の首を絞めたからこそ、新しい要素を取り入れるようになっていったんだと思います。それこそ「Book-end, Happy-end」は、TECHNOBOYSでは本来ありえない楽曲だったと思うんですよ。「賭ケグルイ」(『TVアニメ『賭ケグルイ』オリジナルサウンドトラック「賭ケグルイノ音 -Notes for “kakegurui”-」』に収録)にしても、ほとんどフリージャズのような曲になっていて(笑)。

――確かに『good night citizen』の頃とはまったく違う要素が入ってきていますよね。

フジムラ:アニメの音楽の場合、「作品に合う音」というお題があるからこそ、そこに合うものを考えて、その結果TECHNOBOYSで出来ることも広がっていったような気がします。

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