日向坂46、冠番組の笑いは“団体芸”で生まれる? 乃木坂46&欅坂46注目コンビとあわせて考える

日向坂46 柿崎芽実×宮田愛萌

日向坂46『キュン』(TYPE-C)

 日向坂46の注目コンビは、柿崎芽実と宮田愛萌による“ぶりっ子ツートップ”。同コンビが誕生した経緯のひとつは、昨年12月放送の『ひらがな推し』クリスマス特別企画「けやき坂46 ぶりっ子選手権!」にまで遡る。同企画では、グループ内で突出したぶりっ子アピールを見せる柿崎と宮田をはじめ、どのメンバーが男子を最もドキドキさせられるのかを検証。オンエア以降、大会好成績を残した柿崎と宮田には、“釣り師”としてのキャラクターが本格的に定着した。

 そんな2人が芸人顔負けのコンビ芸を披露したのが、前述した「ひらがながっきょく うんどうかい」での一幕である。同企画内で、柿崎と宮田は「つっぱり尻相撲対決」に出場。他メンバーが真剣に尻相撲をするなか、彼女たちはカメラに対してウインクをしたり、手を振ってわざとらしく舌を出すなど、試合そっちのけで“ぶりっこフリースタイル”を展開。最後には番組MCを務めるオードリー・若林正恭がツッこむという“天丼”な流れに、スタジオ全体も大きな笑いに包まれた。柿崎と宮田は、現在のグループにおけるコンビ芸のパイオニアといえる。

 また、メンバーの齊藤京子は『BUBKA 2019年4月号』(白夜書房)にて、乃木坂46・秋元と対談。前述オンエアについて「“ぶりっ子ツートップ”が本当におもしろかったんですよ」と振り返ったほか、番組プロデューサーを交えて、自身も団体芸を習得したいと話し合ったという。秋元は、そんな齊藤の研究熱心な姿勢を「向上心が高い」と賞賛していた。

 同記事では、秋元がバラエティ番組での立ち回りについて語る場面も。齊藤は収録の際、他メンバーに比べて積極的に発言する一方、自身が何度も前に出ることへの葛藤があるという。それを聞いた秋元は、賑わいある番組作りには、メンバーとの円満な関係性が大切であるとコメント。ここまで振り返った乃木坂46と欅坂46の例を見れば、その言葉も自明に感じられるはずだ。幸いにも齊藤をはじめ、オードリー・春日俊彰を毒舌で切り捨てる小坂菜緒、いつでも天然な井口眞緒など、日向坂46には、個性豊かで仲間想いなメンバーが揃っている。彼女たちがさらに息を合わせることで、ますます笑いの絶えない番組となるだろう。

 日向坂46のグループカラーである空色は、どんな色にでも染まれるものだ。バラエティの面でもこれから先、乃木坂46と欅坂46それぞれの強みを兼ね備えながら、今までにない笑いを届けられるグループになるに違いない。そんな日向坂46の躍進を見守る際には、メンバー同士の“コンビ芸”にもぜひ注目してほしい。

(文=青木皓太)

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