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坂本真綾、ワルキューレ、May’n、中島 愛……フライングドッグ10周年記念『犬フェス!』を振り返る

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 前半の最後に登場したのは、中島 愛。「みんな抱きしめて、銀河の果てまで!」というシャウトから、まずは「星間飛行」を披露。『マクロスF』のなかで“ランカ・リー=中島 愛”として歌唱した名曲が響き渡り、ステージと客席に心地よい一体感が生まれる。ダンサブルな「サタデー・ナイト・クエスチョン」における、80’sアイドル直系のステージングもめちゃくちゃキュートだ。

中島 愛

 ここでインターバル……と思いきや、突然「ライオン」(『マクロスF』新OPテーマ)のイントロが始まる。May‘nと中島に照明が当たり、この名曲デュエットソングを感情豊かに歌い上げる。感極まったふたりの表情、奥深い感情表現と心地よいダイナミズムが共存するボーカルは、観客ひとりひとりの胸に強く刻まれたはずだ。

May‘n&中島 愛

 インターバルは、kz(livetune)のDJタイム。「Now or Never」(ナノ)「ワタシノセカイ」(中島 愛)「吹雪」(西沢幸奏)などをつなげ、会場を盛り上げた。

kz(livetune)

 後半は、サプライズゲストの福山芳樹とチエカジウラによるFire Bomberのハードロックナンバー「PLANET DANCE[Duet Version]」(『マクロス7』挿入歌)からスタート。さらにAKINO with bless4が登場し、「創聖のアクエリオン」」を披露。AKINOのダイナミックなボーカル、AKASHI、KANASA、AIKIのフラッグを使ったパフォーマンスとともにサビのフレーズ「愛してる」という大合唱が響き渡った。

チエカジウラ(Fire Bomber)

 石川智晶は、〈不完全燃焼なんだろ? そうなんだろ? そうなんだろ?〉というフレーズで始まる「不完全燃焼」(TVアニメ『神様ドォルズ』OPテーマ)、独特のエキゾチズムをたたえた「アンインストール」(TVアニメ『ぼくらの』OPテーマ)をしなやかな歌声で披露。さらにステージの上にキーボードが用意され、梶浦由記が登場。梶浦、石川による伝説的ユニット“See-Saw”による「あんなに一緒だったのに」(TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』EDテーマ)が演奏されると、この日、もっとも大きな歓声が巻き起こった。

See-Saw

 ここで姿を見せたのは、3人目のプレゼンター、山寺宏一。自身が参加したビクター関連の作品(『攻殻機動隊』『カウボーイビバップ』)などセリフとともに紹介。さらに「菅野よう子さんの音楽なくして『カウボーイビバップ』の成功はなかったんじゃないかと思います。今日演奏するかもしれなかったOPテーマの『Tank!』。これを、犬フェスなんで、犬で歌いたいと思います!」と宣言、「Tank!」を“ワンワンワン!”と犬の鳴き声で披露するなど芸達者ぶりを思い切り発揮した。そして「惜しまれながら3年前に解散してしまったユニットが、なんと!一夜限り、一曲限りの再結成でございます!」と紹介し、Trident(渕上舞、沼倉愛美、山村響)のステージへ。「ブルー・フィールド」(TVアニメ『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』EDテーマ)によって、会場は青のペンライトで染め上げられた。

山寺宏一

 ここからイベントはクライマックスに突入。まずはワルキューレ。TVアニメ『マクロスΔ』の劇中に登場する“銀河系最強の戦術音楽ユニット”として結成された5人組ユニットだ。

 「いけないボーダーライン」「一度だけの恋なら」と『マクロスΔ』関連の楽曲を続けて披露し、オーディエンスの興奮をさらに引き上げる。美雲ΔJUNNAのパワー溢れるボーカル、フレイアΔ鈴木みのりのしなやかな歌声が絡み合い、さらにカナメΔ安野希世乃、レイナΔ東山奈央、マキナΔ西田望見もソロパート、コーラス、パフォーマンスでそれぞれの魅力を放つ。ユニットとしてのさらなる進化が実感できる素晴らしいステージだ。MCで西田望見のソロデビュー決定が告げられた後(他のメンバー4人はすでにソロ活動を行っている)、「ワルキューレがとまらない」へ。『マクロスΔ』の新作劇場版も公開予定。彼女たちの新たな躍進にも大いに注目してほしい。

ワルキューレ

 『犬フェス』のラストを飾ったのは、坂本真綾。菅野よう子のプロデュースのもと、‘96年に「約束はいらない」(TVアニメ『天空のエスカフローネ』OPテーマ)でデビュした彼女は言うまでもなく、フライングドッグというレーベルを象徴するアーティストのひとりだ。ステージは最新曲「逆光」(スマートフォン向けゲーム『Fate/Grand Order』第2部主題歌)からスタート。エッジの効いたサウンドと起伏に富んだメロディをしっかりと乗りこなし、シンガーとしてのポテンシャルを改めて体現。そのパフォーマンスはまさに圧巻のひと言だ。さらにアッパーチューン「Be mine!」(TVアニメ『世界征服〜謀略のズヴィズダー〜』)を放ち、MCコーナーへ。

坂本真綾

 「“フライングドッグのアーティストって、こんなに素晴らしいんだ”と再確認して、想像以上に収穫の多い1日だったと思います」というコメントの後、話題はインフルエンザのため出演をキャンセルした菅野よう子のことへ。「私は何も悪くないけど、ごめんなさいね(笑)。最後の曲、本当はもう一度ここに呼んで、一緒にやるつもりだったんですよ。菅野さんはお客さんに歌わせる大好きなんです。最後の曲も、フェスを楽しみにしてくれたお客さんと一緒に歌えたらいいなということで、一生懸命に考えていました。菅野さんに届けるような気持ちで口ずさんでくれたらと思います」と「プラチナ」(TVアニメ『カードキャプターさくら』OPテーマ)へ。〈見つけたいな〉〈叶えたいな〉そして「菅野よう子」「お大事にね」というシンガロングが巻き起こるなか、イベントは終了。アーティストの個性、楽曲のクオリティの高さ、音楽に対する愛に溢れたレーベルのスタンスをたっぷりと体感できる有意義なイベントだったと思う。秋に開催されるフェス第2弾『犬フェス2!』にも期待したい。

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■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

      

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