桑田佳祐、NHK紅白歌合戦の熱狂のパフォーマンスを語る

桑田佳祐、紅白パフォーマンスを語る

 デビュー40周年イヤーが続く、サザンオールスターズの勢いが止まらない。NHK紅白歌合戦での熱狂のパフォーマンスに続き、元日にリリースされた桑田佳祐 & The Pin Boys名義のシングル「レッツゴーボウリング」はオリコンシングルチャートで歴代最年長の1位を獲得、そして30代、40代、50代、60代の4年代連続で1位という、史上初の記録を打ち立てた。紅白で昭和〜平成の音楽シーンを総括するような名演を見せたかと思えば、ボウリングという自らの趣味を突き詰め、その普及・活性化に大きく貢献する『KUWATA CUP 2019』の開催と、テーマソングで世間を賑わすーーその振り幅の大きさと支持する層の広さには、あらためて驚かされるばかりだ。

 そんな桑田が1月12日、『ニッポンハム ムーンライト・ミーティング 桑田佳祐のやさしい夜遊び』(JFN系38局ネット)にて、生放送でこの年末年始を振り返った。リスナーが「40年、ファンをやっていてよかった!」というメッセージを寄せたのは、今後いつまでも語り継がれるだろう、紅白歌合戦のステージについてだ。出場者全員を巻き込み、桑田が北島三郎と松任谷由実に挟まれる形で披露された「勝手にシンドバッド」。色褪せない楽曲のクオリティはもちろん、昨年完結したAct Against AIDSの名物企画「ひとり紅白歌合戦」に象徴されるように、常に歌謡曲とアーティストに敬意を払ってきた桑田の人柄がなければ、この夢のような共演は果たされなかっただろう。“懐かしい”などという感覚ではなく、胸が踊るワクワク感が勝る、前向きなエネルギーに溢れたステージだった。この日の放送でオンエアされた「勝手にシンドバッド」に、また新たな輝きを感じたのは筆者だけではないはずだ。

 桑田は裏話として、前日のリハーサルで北島三郎に「なんか、似ているものを感じるんだよね」という言葉をかけられたことを明かし、「歌謡界のゴッドファーザーですよ。本当に嬉しかった」と振り返った。また、松任谷由実とはリハーサルで顔を合わせておらず、なんとあのステージで32年ぶりの再会を果たしたそうだ。桑田は「ユーミンさん、サンバダンスをしながらこっちに来てくれてね。千両役者だよ。場の雰囲気が一変して、虹が出たようだった。そこまでは『粗相のないように』とも思っていたけれど、ユーミンマジックで心が解放されて、『やっちゃっていいんだね?』と思えて。観ていた方も、カタルシスがあったんじゃないかな」と語っていた。

 石川さゆりに坂本冬美、天童よしみに五木ひろし、そして司会を務めた内村光良に広瀬すずと、桑田は紅白歌合戦で交流した全ての人に、感謝の言葉を惜しまない。「NHKホールは芸能の神を祀る、あたたかい善意に満ち溢れた場所」と語るが、本人には、すでにその「神」の一柱であるという意識はまったくないようだ。初出場が大きな話題になった米津玄師についても、「実は、私は会ったことがあるのです! 背が高くて、悔しいけどハンサム(笑)。素敵な人ですよ。この歌も大好きでね」と楽しそうに語り、「Lemon」をオンエアしていた。『やさしい夜遊び』を聴いていていつも思うことだが、桑田はこれだけのキャリアを持ちながら、いまでも子供のように無邪気に、ただただ音楽が好きなのだ。

 今回の紅白について、桑田は次のように総括した。「生放送のスリルもあって、ワクワクしてね。35年ぶりにそれを経験させていただいて、ありがたかったな。初心に戻してくれたというかね。(サザンの)メンバーも一人ひとり、いいものをいただいて、『ツアーに向かっていこう』と、ノンアルコールのシャンパンで乾杯したんですけどね」。そしてこの話題は、なんと北島三郎の「まつり」のオンエアで締めくくられた。

 2月10日に渋谷ヒカリエ特設レーンにて決勝戦が行われる『KUWATA CUP 2019』も、さらに盛り上がりそうだ。この日の放送でも、1月3日にテレビ東京で放送された特番『桑田佳祐のレッツゴーボウリング 日米オールスター頂上決戦!』での、桑田の弾けた姿を楽しんだというファンからのメッセージが取り上げられていたが、人を笑わせ、時に脱力させてくれるのも、エンターテイナー・桑田佳祐の真骨頂。「ミスターボウリング ケーシー桑峰」の登場に、爆笑した視聴者も多かっただろう。「ひとり紅白歌合戦」でも感じたことだが、音楽への真摯な取り組みと、おどけて見せる表情のギャップが相乗効果となり、人を惹きつける。「レッツゴーボウリング」は、そんな桑田の魅力が全面に出た楽曲だ。これだけ軽やかなイメージのある大物アーティストというのは、なかなか思いつかない。

 年明け早々、そのトークからも桑田の好調ぶりが伝わってくる。3月末から開催される、全国6大ドームを含む全11箇所22公演の『サザンオールスターズ LIVE TOUE 2019』にも期待が高まっており、どうやら2019年も、サザンオールスターズ/桑田佳祐の年になりそうだ。

(文=橋川良寛)

■radiko.jpタイムフリー聴取機能では、過去1週間以内に放送された番組を視聴可能
『ニッポンハム ムーンライト・ミーティング 桑田佳祐のやさしい夜遊び』

■リリース情報
『レッツゴーボウリング』 (ボウリング公式ソング/KUWATA CUP 公式ソング)
発売:2019年1月1日(火)
<収録内容> ※3形態共通
1 「レッツゴーボウリング」
2 「レッツゴーボウリング」(Instrumental)
<商品形態>
【完全生産限定盤】<新春ストライクパッケージ仕様>(CD + ピンズ + ポスター)
1,200円(税込)
<完全生産限定盤特典>
レッツゴーボウリング・オリジナルピンズ(全10色)
※10色がランダムに封入。
レッツゴーボウリング・オリジナルA2ポスター
【通常盤】 (CD)
648円(税込)
【アナログ盤】 (7inchレコード) 
1,404円(税込)
<先着予約・購入特典>
新春ストライクステッカー
「レッツゴーボウリング」を予約・購入者に、先着プレゼント
※特典の数には限りあり。先着順。
※3形態共通。

桑田佳祐 & The Pin Boys特設サイト

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