『"神さまは実家に帰る"ツアー』ファイナル公演レポート
ポップしなないで、ライブで魅せた“非日常の世界” キーボード&ドラムによる独創性を紐解く
ポップしなないでが、12月24日に下北沢BASEMENT BARにてワンマンライブを開催した。
同ライブは、2018年10月にリリースされた新ミニアルバム『CDはもう売れない』を携えて行われた東名阪ツアー『"神さまは実家に帰る"ツアー』のファイナル公演。初の東名阪ツアーだったにも関わらず、チケットは全公演ソールドアウト。また、新作に収録されている「魔法使いのマキちゃん」のMV再生回数は現時点で44万回超えを記録、さらに最近は日本テレビ系『バズリズム02』でも紹介されるなど、バンドへの注目度が一気に急上昇してきている。
“超セカイ系ポップ”という新たなジャンルを本人たちも掲げているように、かめがい(Key/Vo)とかわむら(Dr/Cho)の2人が紡ぎ出す世界観はかなり独特である。ポップしなないでの音楽に触れていると、学校から帰ってきてランドセルをほっぽり出し、ゲームやアニメ、コミックに没頭した時間を思い出す。いつもの日常から少しだけ離れ、現実と地続きの異世界に入り込むときの快感。しかもそれをまだ素直に受け入れられていた時期の純度の高い高揚感。そういった要素をも併せ持つ世界観が、キーボードとドラムというシンプル且つ新鮮な編成でポップミュージックとして表現されているのだから、面白くないわけがない。そしてクセになる独創性に次ぐもう1つの魅力が、エモーショナルなライブステージだ。音源で聴くのとライブで観るのとでは、また違った魅力を楽しむことができる。そんなポップしなないでの記念すべき初ワンマンの模様をレポートしたい。