ChouCho×佐咲紗花『ガルパン』対談
ChouChoと佐咲紗花が『Still a long way to go』に込めた『ガールズ&パンツァー』への想い
■『ガルパン』尽くしで、すごく濃ゆい1枚
ーーレコーディングはどんな様子でしたか?
ChouCho:私が最初に録ったんですけど別々だったから、完成したものを聴くまでは、どうなるかワクワクしていました。
佐咲紗花:今回伸ばすところの長さや語尾を合わせるために、てふが歌ったものを聴きながら歌ったら、歌い方がてふになってしまって(笑)。ディレクターさんからトークバックで、「はい。また“てふっぺ”さんになっています」って、何度も注意されるということがありました。
ーー歌詞とタイトルは、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FOUNDの松井洋平さんです。
ChouCho:歌詞は、BOXに入るストーリーの全体を踏襲したものになっています。その後に劇場版や最終章があることも含めて、タイトルの「Still a long way to go」には、“まだまだ物語は続いていく”という意味も込められています。それにサビの頭は、英語の歌詞なんですけど、私自身もそういうイメージで作曲していたんです。松井さんとは何か事前に打ち合わせをしたわけではないのですが、曲を聴いて汲み取ってくれたんだなと思います。
佐咲紗花:歌詞が上がってくるまでの間に私は、TVシリーズとOVAを何度も繰り返し観て、大洗女子のみんなと気持ちを一つにしてから、レコーディングに臨みました。単純に担当シンガーということだけでなく、大洗女子の1人、もしくは『ガルパン』の世界に存在する1人の女子みたいな気持ちで歌わせていただきました。
ーー「Still a long way to go」は、『ガールズ&パンツァー TV&OVA 5.1ch Blu-ray Disc BOX』にも収録されていますが、5.1チャンネルで聴いてもらうことも想定して作曲を?
ChouCho:はい。バンドでしっかり演奏した上に打ち込みを重ねて、色々な楽器の音が入っているんですけど、細かいところまで聴いていただけることがわかっていたので、すごく丁寧に作りました。
佐咲紗花:トラックダウンのときも、本当に細かくこだわっていたよね。0.1デシベル以下くらいのところで、ストリングスを前に出すかギターを前に出すか、〈Oh…〉と歌っているコーラスの音量をどうするかって。
ChouCho:どの音量がいちばん気持ちいいのか、一個ずつ探りながら丁寧に調整していきました。本当にちょっとの差で、聴き心地がまったく変わってしまうんです。
佐咲紗花:私のチームも、てふのチームも、ハイレゾ音源を出しているので、こういうものは得意なほうだったと思います。
ChouCho:それに『ガルパン』と言えば音響へのこだわりが挙げられるので、テーマソングもそれに負けないものにしたいと思いました。
佐咲紗花:ギリギリですけど、2018年のうちにこの音源を残せて本当に良かったです。それくらい満足感がある制作でした。
ーー11月18日に茨城県大洗町で開催された“あんこう祭り”で、初披露されたそうですけど、そのときはいかがでしたか?
佐咲紗花:てふの歌を聴きながら引っ張られずに歌えるように、レコーディングのときに対策を講じていたので大丈夫でした(笑)。
ChouCho:レコーディングは別々だったので、初めて生で合わせたときは、やっぱり自分たちにすごく合っていて、歌っていて気持ちいいなって感じました。
佐咲紗花:前にコラボした「希望の絆」のときも、そういう話をしたよね。ソロパートは全然違うのに、サビを一緒にユニゾンで歌うと、なぜか声が溶け合うねって。
ChouCho:不思議ですけどね。今回は、その上で音域もばっちり合わせて作ったので、溶け合っている部分がより強調されていると思います。歌っている側も気持ちいいんですけど、聴いてくださった方もきっと気持ち良かったんじゃないかと思います。
ーーアンセム感も出ましたか?
佐咲紗花:お客さんも初めて聴く曲だったから、みんな聴き漏らすまいとしていて、真剣に聴き入ってくれて。
ChouCho:終わった後の握手会で、「次回は絶対一緒に歌います」とみなさんおっしゃっていました(笑)。1月5日と6日のエクストリーム爆音上映会では、きっとみなさん歌ってくださるはずです!
佐咲紗花:“『ガルパン』ファンは一つ”みたいな感じで、みんなで肩を組んで揺れながら歌ってほしいです。
ChouCho:まさに、そういう気持ちを込めました!
ーーカップリングには、それぞれのソロ曲「フロンティア」と「春色スカイ」を収録しています。1枚を通して、アンセム感とか、友情・絆というテーマが統一されていることが感じられました。
ChouCho:1枚を通したテーマが『ガルパン』なので、自然とそうなりましたね。カップリングの曲調も「Still a long way to go」同様で、どちらもこれまでとは違うイメージの曲になっています。
佐咲紗花:てふはいつも爽やかな曲が多いのですが、「フロンティア」は強めです。逆に私は、いつも強めの曲が多いので、「春色スカイ」は柔らかめに。ソロ曲もお互いに、攻めたものになっています。それも私たちの関係性があるからこそで、このシングルの中でいろいろな表情を見せようということになたんです。ソロ曲はそれぞれで作詞作曲をしているし、1枚を通してすごく濃ゆいです。
ChouCho:本当にそうだね。
ーーまずChouChoさんの「フロンティア」は、EDMでレイヴ感のあるものに。
ChouCho:私はストリングスやピアノが主軸になっている曲が圧倒的に多いので、それとはまったく違った表情を見せたいと、アレンジャーさんとも相談しながら、ライブで聴いてもらったときに、アガってもらえる曲にしたいと思いました。それにこの曲は、ゲーム『ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチDX』の主題歌になることも分かっていたので、“戦車道”のバトルシーンを想像してもらえることも意識しました。