chay、『あなたには渡さない』主題歌で見せた新境地  “ピュアな女子”から“したたかな女性”への変貌

 chayが12月5日にニューシングル『あなたの知らない私たち』をリリースする。木村佳乃主演の土曜ナイトドラマ『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)の主題歌となっている表題曲は、“濃厚な大人の恋愛”が表現された一曲だ。

chay feat. Crystal Kay「あなたの知らない私たち」サビ視聴動画

 chayと言えば代表曲「あなたに恋をしてみました」や「恋のはじまりはいつも突然に」でも知られているように、キュート&ピュアな恋心を歌うアーティストというイメージがあり、特に若い世代から多くの支持を獲得している。また、彼女の楽曲はどれも一聴しただけで耳に残ってしまう“親しみやすさ”も魅力のひとつ。どこか懐かしいポップスを彷彿させるのは、小さい頃から両親の影響で80年代ミュージックに触れてきた背景が大きく関係しているのだろう。

chay 「あなたに恋をしてみました」(short ver.)

 しかし今回の新曲「あなたの知らない私たち」はchayの従来のイメージをひっくり返し、新たな魅力を生み出した重要な作品と言える。ジャズを基調としたメロディに、ドラマのテーマでもある“女と女の戦い”、“大人な恋の駆け引き”を感じさせる刺激的なワードが散りばめられた歌詞。可愛らしい胸キュンソングから、ウェットな大人の歌謡曲という180度真逆な方向へと舵を切ったことで浮かび上がってくるのは、chayのシンガーとしてのポテンシャルの高さだ。

 彼女の特徴でもあるストレートで聴く人をふんわりと包み込む優しい歌声は、ピュアな恋心が描かれた楽曲が一番似合うと思っていた。それがchayらしさだと決め付けてしまっていたが、この曲を聴いてそうとは限らないことに気付かされた。chayが「あなたの知らない私たち」を歌い上げる時、そのストレートな歌声は大人の女性の“強さ”に、ふんわりと包み込むような優しさは“色気やしたたかさ”に変容する。つまり、chayの歌声は正反対のタイプの楽曲にも適合してしまうほどの、多面体的な魅力を秘めていたのだ。

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