Sexy Zone、“対比”が生む魅力 「カラクリだらけのテンダネス」「すっぴんKISS」の楽しみ方

 一方、「すっぴんKISS」はSexy Zoneの透明感がたっぷり楽しめる作品だ。爽やかなサウンドに白を基調として、陽が差したような色味のMVが曲の雰囲気を盛り上げている。そんな「すっぴんKISS」は、松島、マリウスのピュアな歌声が曲の雰囲気を作り上げているように感じた。Aメロ、Bメロから歌唱パートも多く、2人の歌声を前面に押し出しているのが伝わってくる。振り付けも、指で頬を触るような仕草や、キスをするような仕草が多く、キュートな印象のダンスである。

 この2曲の楽しみ方は、“対比”。大人っぽくクールな印象の「カラクリだらけのテンダネス」、透明感あふれるピュアな雰囲気の「すっぴんKISS」、その違いはいたるところに表れている。たとえば、『ザ少年倶楽部』(NHK BSプレミアム)でのパフォーマンス。いずれの曲も、中島がカメラに向かって手を差し伸べるようなアピールがあるのだが、「カラクリだらけのテンダネス」ではニヒルな笑みを浮かべ、「すっぴんKISS」では天使のようににっこりと微笑んでいる。中島以外のメンバーも、2曲のパフォーマンスを演じこなしているのが伝わってくる。

 成長を重ね、徐々に大人っぽさが人気の理由の一つになってきたSexy Zone。しかし、完全に“大人っぽさ”に振り切るのではなく、クールさもピュアさもあわせ持つのが彼らだ。「カラクリだらけのテンダネス」「すっぴんKISS」、2曲続けてのパフォーマンスが見られる『ミュージックステーション』。その違いを存分に味わってほしい。

(文=高橋梓)

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