MINAMI NiNEが示した、“歌”を大切にする姿勢 ゲスト迎えた『LINKS TOUR』東京公演

 MCでは、11月1日に結成丸7年を迎えたことを報告しつつ、宮崎弁で和気藹々と話を繰り広げる3人。メジャーデビュー作のレコ発ツアーということもあり、ヒロキが結成当時からここまでを振り返る場面もあった。彼らはバンド結成時にメジャーデビューという目標を立てたが、全国各地のライブハウスを廻り、自分たちの歌が少しずつ広まって行くのを目にしたことで、いつしか自分たちの目標は「全国をずっと廻って、いっぱい友達を作って、自分たちの歌を通して、みんなと仲良くなりたい」というものに変わっていったそうだ。そしてヒロキが、「7年間、ライブを続けてきたことで、あのときの夢が近づいてきたのか、僕たちが知らずにその夢に近づいていたのかはわからないけど、今回メジャーデビューすることができました」と話すと、客席からは祝福の拍手が送られていた。

 そんなMCの後に披露されたのは、『LINKS』の1曲目でもある「Over and over」。この曲の歌詞には、大切な人たちに向けた感謝の気持ちが綴られている。3人はその言葉を噛み締めるように、ありったけの力と思いを込めて、音を高鳴らしていた。

 メロディックパンクや青春パンクが基軸にあるMINAMI NiNEの楽曲には、クラウドサーファーが現れた「Happy go lucky」や、モッシュが発生した「Buddy bye」「南九節」のようなライヴハウスライクなものもある。そういった一面もありながら、ハチロクのリズムがノスタルジーを刺激する「帰り道」のようなミディアムナンバーもあり(ヒロキが奏でる柔らかなベースのフレーズや、ワラビノのスライドギターもいい味を出していた)、とにかく“歌”を大切にしていて、それをここにいる人たちと共有したいという気持ちがひしひしと伝わってくるステージだった。英詞をチョイスすることが比較的多いメロディックパンク勢の中で、彼らが日本語で歌うのも、老若男女問わず、みんなが歌える曲にしたいという理由からだろう。とてもシンプルで普遍的なことではあるのだが、そんな大切なことをまっすぐに貫き続けたからこそ、彼らの歌はじっくりと広まっていったのだと思う。「花」で巻き起こったオーディエンスの大合唱を笑顔で受け止めていた3人の姿がとても胸に残った。

 前述の通り、『MINAMI NiNE pre. "LINKS TOUR"』は、12月8日の宮崎SR BOXまで続くことになっている。さらにMINAMI NiNEは、12月31日に『COUNTDOWN JAPAN 18/19』への出演も決定している。彼らはこれからも一歩一歩確実にその歩みを進め、多くの人たちに愛される歌を世に広めていくはずだ。

■山口哲生
ライター/編集。音楽雑誌編集を経てフリーランスに。邦楽をメインに、雑誌・WEB・ファンクラブ会報などで幅広く執筆中。1981年生まれ。愛知県出身。新日本プロレスのオカダ・カズチカ選手と地元が一緒。嬉しい。

※記事初出時、一部表記に誤りがございました。訂正の上、お詫びいたします。

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