『the GazettE Live Tour18 THE NINTH / PHASE #02-ENHANCEMENT-』CLUB CITTA'川崎公演レポート
the GazettEが表現する、研ぎ澄まされた狂気 さらなる深化を遂げた『NINTH』ツアー“第2層”レポ
the GazettEが、全国6都市11公演のスタンディングツアー『the GazettE Live Tour18 THE NINTH / PHASE #02-ENHANCEMENT-』をスタートさせた。本ツアーは今年7月から行われたホールツアー『PHASE #01-PHENOMENON-』に続く、アルバム『NINTH』ツアーの“第2層目”にあたる。
初日の11月6日、CLUB CITTA'川崎公演は、演奏、サウンド、ステージング、照明、演出……どれをとってみても、the GazettEというバンドの徹底的にこだわり抜いた美学をこれでもかというほど魅せつけられた夜だった。7月に観た『PHASE #01-PHENOMENON-』ツアー初日は、ステージ上の彼らも、それを見守るオーディエンスも、まだ手探りな様子があったように思えた。しかし、この日は、RUKI(Vo)が「ホールツアーのときからライブハウスの空気を感じていた」と言っていたように、ライブを重ねるごとに深化していったエネルギーが、久しぶりのスタンディングという形式によって一気に弾けた、そんな夜だった。
「カワサキィィィィーー!!」
RUKIが吠える。前髪に鮮やかな緑のメッシュを入れた麗(Gt)と、黒髪の短髪になった葵(Gt)はいつになくクールな面持ちで華麗に両翼を担い、青髪のREITA(Ba)は大きく脚を広げながら低く身構える。その4人を後ろから悠然と据えた戒(Dr)ががっしりと支えている。臨戦態勢の5人がステージ上から放つ音は重厚で濃密。それでいて鮮明に届き繊細さを垣間見せる。開演が30分押すというアクシデントからの幕開けであったものの、懸念するようなことなどはなく、身体中に感じた1曲目「Falling」の重々しいグルーヴは、7月の三郷市文化会館で体感したものとは明らかに異なっていた。