関ジャニ∞ 大倉忠義の勇気ある行動がつなぐ、関西ジャニーズJr.の未来 警告後のラジオを聞いて

 ここからは個人的な見解だが、大倉が特に大阪での過剰なつきまといに対して厳しい言葉を投げかけたのは、関西ジャニーズJr.への親心という一面もあるのではないだろうか。「自分たちがJr.のころ悔しい思いをしてきた」という思いから、何か手伝わさせてくれと名乗り出たように。自ら、この難しい問題に一石を投じることで、これから人気者になる後輩たちが同じような苦しみを味わうことが減るように、と願っての行動だったのでは、と考えてしまう。

 私たちは、毎日異なる正義を主張したり、引っ込めたりして、なんとか社会を保っている。大倉と高橋が、この番組で見せてくれるように、ときには「なんなの?」と憤り、ときには「もっとこうすればよかった」と心を痛めて、どうにかこうにか平和に過ごせるように工夫していくのが人生だ。だからこそ、ルールは正義を引っ込める側ばかりにまわってしまう人たちを守るためにあるべきなのである。だが、大倉の言う通り少数派のためのルールを作るのは難しい。民主主義において、多数決はあまりにも便利すぎる。エゴを強く主張した人が勝ちでは、声の小さい人が苦しみ続けることになる。メディアの希望は、光が当たっていない部分や、たった一人の悲痛な叫びを広めることだ。

 大倉の勇気ある行動から、関西ジャニーズJr.へのチャンスが、そしてアイドルたちを取り巻く環境が、変わっていくことを願ってやまない。そして、同番組には変わらず大倉が高橋とゲラゲラと笑い声を響き渡らせるのを期待している。関ジャニ∞が大阪を想って作った歌「All you need is laugh」で歌われるように。大倉にとって大阪も、この番組も、疲れたときに笑い帰る場所であり続けてほしい。

(文=佐藤結衣)

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