TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat. 高野寛インタビュー
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDと高野寛が目指した、“現代のテクノポップ”とは
届いていなかったところに、自分の歌を届けられた
——(笑)。高野さんは弟子筋の方々と一緒にやってみてどうでしたか。
高野:いや、そこまで言ってもらえる人と、ここまでちゃんと共作したことってなかったかもしれないなって今、ずっと思っていて。だから、とにかく話が早かったですね。共通言語がたくさんあるから。それはもしかすると、僕がトッド・ラングレンや高橋幸宏さんと一緒にやった時の感覚に近いのかもしれないし、さすがに30年やってるとこういう立場になるんだなって。
フジムラ:あんまり言いすぎるとやりにくいかなって思ったので、そういうところは抑えつつやってたつもりだったんですけどね(笑)。
松井:抑えていても、あふれ出るものがありますよね(笑)。
高野:でも、僕もね、トッドとやった時とか、内心ものすごく浮足立ってたわけですよ。最初、サインをもらったりもしたんだけど、どれだけファンでも、一旦ファン心理を捨てないと一緒に仕事できないことに気づいて。そこからだいぶ落ち着いてできるようになったんだけど、それはある意味、残酷なことだなって。ファンとしてはすごく幸せなことであると同時に、ファンでいられなくなっちゃうんだなっていう寂しさも感じたりして。
松井:お仕事というかお願いする立場でまずやってく上で、心根的なスタンスあるじゃないですか。心構えというか。だからやっぱりお願いするだけじゃなくて、こちらもやっぱりアーティストとして、何かひとつの作品を作る時に、言い方はアレですけども、ある程度対等な立場というか、言い合える立場でやりたいなっていうのはあったので、そういう気持ちは極力抑えて(笑)。
フジムラ:出まくってたよ(笑)。あふれ出てたよ(笑)。
ーーこうしてお話を聞いていると、1回のコラボで終わらせてしまうのはもったいないなって感じてしまいますね。
高野:そうですね。じゃあ、「夢の彼方へ」を。
3人:あはははははは!
石川:これはすごいぞ!
松井:歌ってくれるんですか!(笑)。
フジムラ:吐きそうになってきた(笑)。
松井:高野さん……マジですか(笑)。
石川:うわ~、なんかやりたくなってきたな~。
高野:今ならカッコ良くできるかもしれない(笑)。
松井:よっしゃ、ミニアルバム作ろう!(笑)。あと、高野さんには、この1回に限らず、またアニソンを歌って欲しいですね。こういったコラボも生まれる土壌になっているし、いろいろなことがやれるフィールドなので、これからもっと面白くなっていくんだろうなとは思ってますけどね。
高野:そうですね。今回、アニソンボーカリストとして初めての参加だったんですけど、SNSの反響がすごくあって。今はよくも悪くもいろんなジャンルが細分化してるので、しばらく届いていなかったところに、自分の歌を届けられたっていう気持ちがすごくあるし、細分化した世界がミックスしていったり、膠着しかけたいろんなジャンルの壁みたいなものが壊れていくっていうのは面白いんじゃないかなと思ってます。あと、僕の友達のコトリンゴも思いがけない形でアニメの曲(映画『この世界の片隅で』)から脚光を浴びたのを身近で見てたので、いろんな展開の仕方があると面白いんじゃないかなっていうのは感じますね。(取材・文=永堀アツオ/写真=はぎひさこ)
■リリース情報
TVアニメ『ガイコツ書店員 本田さん』OP/ED主題歌
「ISBN ~Inner Sound & Book’s Narrative~/Book-end, Happy-end」
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
¥1,200 (税抜価格)+税/Lantis
2018年10月31日(水)
1.ISBN ~Inner Sound & Book’s Narrative~
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.本田(CV.斉藤壮馬)
2.Book-end, Happy-end
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.高野 寛
3.ISBN ~Inner Sound & Book’s Narrative~(Instrumental)
4.Book-end, Happy-end(Instrumental)