清水翔太、武道館公演で交わしたファンとの誓い「みんなの好きな清水翔太であり続けたい」

清水翔太、武道館でファンと交わした誓い

 清水翔太のライブは、オーディエンスとの心の距離が近い。この日は特に近く感じていたようで「いいよね、今日の俺たち!? 付き合って5日目くらいの、『よかったぁ俺この子選んで』みたいな感じするもん(笑)」とのこと。場全体のムードが和んだところで翔太は、当初Twitterで発表し、絶賛の声に押されてリリースに至った「I'm in love」を届ける。アコギ1本でエモーショナルに歌い上げる、“シミショー節”炸裂のR&Bバラードだ。彼は、繊細でありながら力強い、ソウル的に優れた声質をもともと持っている。10代の頃から喉を使い鍛え続けながらも、その素質の良さが損なわれずに歌手として成長を遂げ続けていることに、私は感謝と感動すら覚える。

 その後、この時節うってつけの「ナツノオワリ」を思いつきで歌ってみたり、自身のスマートフォンを持ってきて動画撮影、その場でInstagramにアップロードしたり、という自由なMCタイム。観客との親密度を一層高めた上で「マダオワラナイ」~「Get Back」からラストスパートへ突入した。ライブ自体が“マダオワラナイ”、MCからライブへ“Get Back”という意味合いもありそうな選曲だ。本編最後は〈良い人生 悪い人生 俺以外judgeする権利はない〉というフックが耳に残る「Good Life」を熱唱。場内は翔太の歌に合わせて大きなシンガロングに包まれた。

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 アンコールでは、自前のテレキャスターを弾きながら、ギターで作曲した「Beautiful」をパフォーマンス。充実したステージを経て「俺は幸せです、今。みんなのことを家族みたいに愛おしく思ってるし、5年後も10年後も武道館でこうしてたいなと思う」と心情を吐露する。そして次の翔太の発言が、この日のハイライトではないだろうか。

「俺に音楽の才能が人よりも多くあるんだとしたら、大人たちのために使うつもりはない。自分のために使うつもりもない。今、たくさんの愛情を持って見てくれてるみんなのために使いたい。そうあるべきだって今日確信した。俺はみんなの好きな清水翔太であり続けたい」

 力強い宣誓の後、ギターをつま弾きながらアルバム表題曲「WHITE」を響かせた。さらに「武道館1日目、言葉にならないくらい本当に最高だった。どうもありがとう」とお辞儀をしてラストナンバー「Rainbow」を届け、翔太の去ったステージには虹が映し出された。デビューから10年、8枚目のアルバムにして音楽的最高到達点を更新した清水翔太。着飾ることなくまっさら(=WHITE)な気持ちで、彼がずっと客席に向けていた真摯な眼差しは、ファンはもちろん、初見の人の心をも動かしたはずだ。

(写真=cherry chill will.)

■鳴田麻未
1990年東京都生まれ。ライター、編集者。2009年に都立工芸高校グラフィックアーツ科を卒業。同年夏から2016年まで7年半にわたって音楽ニュースサイト「音楽ナタリー」編集記者として、ニュース記事執筆、特集制作、企画、営業を行う。2017年1月より独立。Twitter:@m_ami_

<セットリスト>
1. dance with me.
2. Friday
3. Sorry Not Sorry
4. My Boo
5. 君が好き (Shot Ver.)
6. (I'm fine)
7. alone feat. SALU
8. Feel Good
9. Silver & Gold
~DANCE PERFORMANCE~
10. 踊り続けよう
11. Damage
12. I'm in love
13. Range Rover
14. マダオワラナイ~Get Back
15. sonomama
16. Good Life
<アンコール>
17. Beautiful
18. WHITE
19. キミノセカイヘ
20. Rainbow

清水翔太 公式サイト

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