SPECIAL OTHERS ACOUSTIC、野外ステージで鉄壁のアンサンブルを聞かせた贅沢な2時間

 中盤戦はスペアザの人気曲「IDOL」からスタートし、ひときわ大きな歓声が上がる。さらに、宮原がボンゴ、又吉がジャンベという編成で、スペアザの 「smile」(SOA名義ではCD未収録)を披露。柳下は、アコギの低音でベースフレーズを弾きつつ、コードを爪弾くという超絶テクでアンサンブルを引っ張っていく。こういうことを、サラリとやってしまうのが彼らの凄いところだ。

 グロッケンシュピールによる軽快でオリエンタルなフレーズが印象的な「Light」は、後半オーディエンスによるシンガロングが自然発生的に巻き起こり、いよいよライブもラストスパート。哀愁漂うアコギのカッティングと、クールで洗練された16ビートのリズムが心地よい「STEADY」を経て「WOLF」のイントロが奏でられると、嬉しさと寂しさが入り混じったような、えも言われぬ感情が込み上げる。後半のブレイクでは一斉にハンドクラップが鳴り響き、会場は一体感に包まれた。

 本編最後はアルバムの表題曲「Telepathy」。アンコールでは、スタッフが用意したスイカをステージで切って、その場で試食するという謎のコーナーが設けられた後、1stアルバム『LIGHT』のラストに収録された「Wait for The Sun」を演奏し、この日の公演は幕を閉じた。

 途中、MCで芹澤が「ここで定期的にできたらいいんじゃない?」と提案し、「そうだね、もう少し涼しい季節にやりたいですね。みんな、来てくれるかな〜?」と宮原がオーディエンスに呼びかけていたが、是非とも実現してほしい。鉄壁のアンサンブルを思う存分堪能し、腹がよじれるほど笑わせてもらった最高に贅沢な2時間だった。

(文=黒田隆憲/写真=西槇太一)

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