Leadが『MILESTONE』で示したグループのカラー “これから”への期待高まったツアー最終公演

 今年1月の舞台『私のホストちゃんREBORN〜絶唱!大阪ミナミ編〜』で主演を務めた古屋敬多など、メンバー全員が役者としても活躍するダンス&ボーカルユニット、Leadの全国ツアー『Lead Upturn 2018~MILESTONE~』が、9月1日の中野サンプラザ公演で幕を下ろした。

 同ツアーは7月にリリースした最新アルバム『MILESTONE』を携え行われた。ネオファンクテイストのサウンドに耳になじむボーカルやラップを組み合わせた「トーキョーフィーバー」「Bumblebee」など、近作シングルを中心としたアルバムには作詞・作曲にメンバーが関わっている楽曲も多く、現在の3人の“体温”を濃厚に感じさせる仕上がりとなっている。この記事ではツアー最終日の夜公演を中心にレポートしたい。

 ホーンのサウンドが艶やかな「Bumblebee」で幕を開けたライブ。この日の客席には、2013年にグループを卒業したリーダー・中土居宏宜のイメージカラーである赤のサインライトが目立った。宏宜の卒業以降、「いつも心にUpturnと赤色を」を掲げて活動してきた彼らの思いについてはブログでも触れられているが、2曲目「What cha gonna?」で、黄色・青・緑という3人のメンバーカラーを組み合わせた照明が赤一色に替わる演出にはハッとさせられるものがあった。

 そんな中で披露されたのが『MILESTONE』のリード曲「Love or Love?」。〈なぁ好きだろ!? こんなの〉というドS的リリックや、指で描いたハートを組みかえて牙を作る通称“毒牙ポーズ”などを盛り込んだセクシーなステージングで魅せ、序盤からLeaders(Leadファンの愛称)も一気にヒートアップ。

Love or Love? / Lead【Music Video】

 10代前半でデビューした彼らも、最年少の鍵本輝がツアー中に30歳を迎えたことで全員が30代に。デビュー当時の楽曲「Extreme girl」には女性ダンサーも登場し、なまめかしく視線を絡ませるように進めていくステージにはまさに大人の魅力が漂っていた。

 Leadはダンススキルの高さでも知られるグループだが、軽やかな2ステップナンバー「雫~Sizk~」などをはじめ、ダンサーのKyo(同ツアーの演出も兼任)やSUN-CHANG(国際的に活躍するダンスチーム・GANMIの一員)らとのシンクロ感あふれるパフォーマンスは、お世辞抜きでかなり完成度の高いものだったように思う。中盤のダンスコーナーではダンサーたちはもちろん、近年のライブの音の要を担うDJのHIRORONまでが参加して、“満員電車あるある”といったストーリー仕立てのパフォーマンスをコミカルに見せていった。

 中盤からは雰囲気を一転させ、バラードを中心にしたブロックに突入。「これまで、これから」では、輝の柔らかな歌声や敬多の倍音を入れるようなこれまでにない歌い回しに、「君と歩く未来」ではラップ担当の谷内伸也の温かみのある歌声に、彼らの“歌心”を強く感じた。

 そして同ツアーの中でもハイライトの一つといえたのが、特大サイズの書をバックにした「メダリスト」から「志~KO.KO.RO.ZA.SHI.」の流れ。津軽三味線×EDMサウンドにのせてアスリートたちと自らの半生を重ね合わせ歌い上げる「メダリスト」、“サムライ魂”をテーマにしたやはり和テイストの「志~KO.KO.RO.ZA.SHI.」。ダンスの面でもDA PUMPのKIMI振付の「志~KO.KO.RO.ZA.SHI.」でのシャツをまくって腹筋を見せる動きなどは注目ポイントだが、この2曲はこれまでになく男っぽく、突き抜けた熱量を感じさせた。

 意外に難易度の高い(?)「Give Me Your Best Shot」の振付講座などを交えつつ、終盤戦では「R.O.O.T.S」「トーキョーフィーバー」という、まさに彼らのルーツを感じさせるヒップホップ色の強いファンクナンバーを連発。こういった曲での聴きやすくどこか肩の力の抜けたライミングも、現在のLeadの持ち味の一つといえる。そんな山あり谷ありの本編を、ポップな華やかさを持つファンクナンバー「Funk This Time!」で締めくくっていた。

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