稲垣吾郎が教えてくれた新たなグループ愛の形 阿川佐和子との対談から感じたこと
「一連の経緯の中で、誰が辞めて誰が残るという選択を迫られたわけですが、それは5人の中でちゃんと納得というか……」阿川がさらりと切り込んだ、多くのファンが知りたがっていた真相。何十年と苦楽を共にしてきた5人は大人になり、より“個”として大事にしたい考えや守るべきものも増えたのだろう。それでも「細かくどういう話し合いをしたかまでは言えませんけども、ファンの皆さんにはそこは心配しないでもらえたら嬉しいなって」と、変わらないものがあると話した。「通じ合えていないメンバーもいたりしたのかなと思っていましたけど……」という阿川の問いに、「通じてないことはないです。愛してますし」とさらりと答える稲垣の個性もSMAPがあったからこそだと思うと、頬が緩む。
「グループの肩書きがないほうが、役者として幅が広がるかなと、いまは前向きに捉えています」。お互いがどうしたら気持ちよく生きていけるのかに向き合って、距離を調整すること。それができることこそ、深い愛情を感じるのは筆者だけだろうか。目に見えるわかりやすい形を手放しても大丈夫と思えること、それが彼らが私たちに教えてくれる新しいグループ愛かもしれない。「もしかしたらいまの活動を物足りなく思う方もいるかも知れませんけれども、ファンの方のことをいちばんに考えてやらせていただくというのはこれまでもこれからも変わらないです」と、ファンへの愛情もしっかりと伝えてくれる稲垣。いつか共演ができることがあるかもしれないし、いま私たちが考えているよりも、もっと素敵な未来が待っているかもしれない。そんなことを夢見させてくれるSMAPは、決して過去のものではないように思う。
(文=佐藤結衣)