a flood of circleは極めて健全なロックンロールバンドだ 『Here Is My Freedom』最終公演レポ
5曲目「FUCK FOREVER」の焦燥溢れる疾走感、7曲目「Leo」の壮大な革命のビート、8曲目「Summer Soda」の透き通るハーモニーとざらついたサウンドのコントラスト……。ステージの流れゆくうねりの中で、血の通った演奏が感情の花を咲かせていた。そのおかげで佐々木のタガも見事に外れ、ハイライトとなった16曲目「シーガル」と17曲目「ミッドナイト・クローラー」は、ピッチやタイム感の大らかさが歌のダイナミズムを爆発させまくっていた。それどころか、アンコール2曲目「ベストライド」の間奏で、佐々木はHISAYOと向かい合い、ギターも弾かずにただただ楽しんでいるだけの瞬間まであった。
「ツアーファイナル、でも俺たちにとってこれは始まりの日なわけ」(佐々木亮介)。4人のa flood of circleとして初の旅が終わった。が、ほんとにここからだ。まだまだ伸びしろだらけである。ロックンロールの本質が自由の解放だとすれば、何の縛りもない視座から音楽を前進させよう、歴史をぶん殴ってやろう、そのほうがわくわくするじゃん! という今の彼らは、極めて健全なロックンロールバンドである。こういうバンドが少数派である現状はとても不思議なのだけど、そんな蛇足はさて置き、アンコールで発表されたニューシングルのリリースと、新たなツアーの開催を楽しみに待ちたいと思う。
(取材・文=秋摩竜太郎/写真=新保勇樹)
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