androp、ドラマ『グッド・ドクター』主題歌で描く“光” ストーリーで果たす役割に迫る

 andropのニューシングル表題曲「Hikari」が、本日8月2日より先行配信を開始している。現在オンエア中のドラマ、木曜劇場『グッド・ドクター』(フジテレビ系)主題歌に起用されている「Hikari」。静謐なピアノのイントロではじまり、優しく語りかけるようなボーカルで歌われるこの曲は、ドラマのラストで、ホッと息をつけるような、そして明るい希望を感じさせてくれる“光”となっている。

androp 「Hikari」Music Video (short ver.) フジテレビ系 木曜劇場「グッド・ドクター」主題歌

 ドラマ『グッド・ドクター』は、山﨑賢人演じる特異な暗記力を持ったサヴァン症候群で、小児外科医を目指す主人公・新堂湊が、研修医として小児外科の世界に飛び込み、子どもたちの命のために奮闘していく物語だ。湊は、コミュニケーション能力に障害があるゆえに、周囲の医師やレジデントに反発されたり、時に切迫した病棟では邪険に扱われたりしながらも、子どもの命を助けたいという純粋な思いで、子どもたちに寄り添っていく。現在、第3話まで放送されているが、未成年での出産や病院のたらい回し、子どもの死など重い内容も多く、また湊の行動の意図が周囲に理解されずに騒動を引き起こしてしまうこともあり、観ている側が心苦しくなるようなシーンも続いている。一方で、病と闘う医師である前に、子どもたちそれぞれの視点で物事を捉えて、その子の笑顔を見たい、と思いを叶えようとひたむきに動く湊の姿に、切なくも温かな気持ちも湧く。「Hikari」は、このドラマに流れている思いや、医師を志し医療に携わる登場人物それぞれのプリミティブな思い、愛する人への思いなど、言葉にはしない心の声、人々の思いの通奏低音を歌にして、物語を包む曲だ。

 〈365日をあなたと過ごせたら/思い通りにいかない日があっても/それすら「幸せ」と呼びたい〉。そんな歌のはじまりが、胸に沁みる。

 これまでにも、多くのドラマ主題歌を手がけてきたandrop。満島ひかり主演ドラマ『Woman』主題歌となった「Voice」(2013年リリースシングル)、また天童荒太の小説『家族狩り』をドラマ化した際の主題歌「Shout」(2014年リリースシングル)は、ヘヴィでシリアスな作品の内容や癒えない感情をすくいとって、痛切な“叫び”としてアウトプットした。応援歌的な晴れやかさがあった「Voice」とは一転して、正義が揺らいでしまうほどの不条理にあったときの、やり場のない想いや自問自答を率直に、ソリッドに描いた「Shout」。人間の複雑な感情や、その感情の闇の淵に立ってしまう怖さ、そういったデリケートで難しい瞬間をandropというバンドはとても丁寧に音にして、ドラマの世界観を音楽で支えた。今回の「Hikari」もまた、そうした印象深い1曲になっていくだろう。

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