AK-69×UVERworld、ジャンルを超えたリスペクトと音楽への愛 『ROCK YOU』対バン振り返る

 「次はUVERworld! 覚悟しろよ!」というAK-69からの思いを受け止め、UVERworldはTAKUYA∞の軽やかな口笛から始まるライブチューン「7th Trigger」で威勢良くライブをスタートさせる。TAKUYA∞の「69Homiesのみなさん! あなた方が愛したAK-69が認めたUVERworldが、本物のロックバンドっていうことをガッツリ証明して見せるんで、よろしくどうぞ!」とAK-69へのアンサー返しから、白いハンドマイクでのオートチューンが特徴的な「DECIDED」へ。この日、UVERworldは「WE ARE GO」「一滴の影響」「Q.E.D.」など、アルバム『TYCOON』収録曲を中心に、最新型のバンドスタイルを全身全霊でぶつけていった。「ライブハウスに来てんだぞ! 人生最後のライブでもいい、魂をかけたライブを見せてやるんで!」と扇動すると、TAKUYA∞はフロア前方にダイブして、Crewと拳を付き合わせる。中でも印象的だったのが、ファンをステージに上げるのが恒例の「SHOUT LOVE」で、AK-69のTシャツを着た69Homiesが舞台に上がったことだった。「この曲を聞いたらこれからはこの景色を思い出すんだと思うよ」というTAKUYA∞の愛の言葉と共に、ファルセットを駆使しながら最大級の愛を叫んでいく。勇気を出してステージに上がってきたことに、TAKUYA∞は「いいアーティストにはいいファンがいるね!」と称えていたが、ジャンルの壁なんて存在しない、ということを一つひとつ証にしていくUVERworldの楽曲はまっすぐに69Homiesにも確実に届いている。

 「AK-69と分かり合えたんだよ!」「ロックのレジェンドを呼ばれたってさ、仲間だからこそ簡単に負けは認められないんだよ!」「人の心を動かす音楽こそが正義!」、男が惚れる男・TAKUYA∞の放つメッセージは、いつだって熱い。それは、楽曲と楽曲の間で、勢いや熱量を一定に保つ役割も担っている。つまり、ライブは終盤につれてどんどん熱くなっていくということで、バンドきってのライブチューン「IMPACT」、そしてラストの「在るべき形」では、AK-69から受け渡されたバトンを最高潮の盛り上がりで応えて見せていた。

 『ROCK YOU』の締めくくりとして、TAKUYA∞が「大事なのは魂の挑戦、俺たちはいつまでもForever Young!」と叫ぶと、ステージにAK-69が登場し、コラボ曲「Forever Young」へ。AK-69のリリックには〈ブルハ 尾崎 永ちゃんが教科書〉というパートがあるが、THE BLUE HEARTS、尾崎豊、矢沢永吉、そしてAK-69、UVERworldに共通してあるのは、成り上がりの精神。愛知と滋賀の小さなライブハウスを出発点に、それぞれが日本武道館を埋めるほどの、シーンを代表するアーティストへと成長していった。通じ合うのは、相手への最上級のリスペクトと自分が信じた音楽への愛。「Hip Hop vs Rock」という異種格闘技戦のカードは、AK-69とTAKUYA∞が拳を交わし合うことで終わりを告げた。「ジャンルの壁はない」、2人が最後に何度も叫んでいたその言葉が、『ROCK YOU』というイベントが伝えるメッセージだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■セットリスト
『ROCK YOU』
6月9日(土)豊洲PIT
<AK-69>
01.THE CARTEL FROM STREETS
02.Prologue -The Man They Call Rain Man-
03.Flying B
04.It's ON
05.Fxxk Off
06.A Hundred Bottles
07.YELLOW GOLD
08.Flying Lady feat. HIDE春、CITY-ACE
09.IT'S OK feat. HIDE春
10.Stronger
11.BRAVE feat. Toshl(X JAPAN)
12.ロッカールーム –Go Hard or Go Home-
13.THE RED MAGIC

<UVERworld>
01.7th Trigger
02.DECIDED
03.WE ARE GO
04.ODD FUTURE
05.一滴の影響
06.SHOUT LOVE
07.シリウス
08.PRAYING RUN
09.Q.E.D.
10.零HERE
11.IMPACT
12.在るべき形
13.AK-69 / Forever Young feat. UVERworld

AK-69オフィシャルサイト
UVERworldオフィシャルサイト

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