荻原梓のチャート一刀両断!

DISH//、快進撃予感させる新シングル『Starting Over』 新進気鋭の作家陣迎えて歌う“再スタート”

参考:2018年7月23日付週間シングルランキング(2018年7月9日~2018年7月15日・ORICON NEWS)

DISH//『Starting Over』(通常盤)

  最新のオリコン週間シングルランキングによればKis-My-Ft2『LOVE』が週間売上175,655枚を記録して1位を獲得し、2位にはDISH//『Starting Over』、3位にナオト・インティライミ『ハイビスカス/しおり』が続く結果となった。

 特に2位のDISH//については、週間売上44,848枚を記録し前作『勝手にMY SOUL』(約26,000枚)を大幅に上回る初動を見せている。彼らはつい先日、これまでの楽曲をサブスクリプションサービスで一挙解禁したばかり。比較的容易に楽曲にアクセスができるようになったのにも関わらず、こうしてフィジカル売上げが落ちずに、むしろ大きく伸ばしている事実は注目すべきだ。新作『Starting Over』は通算12枚目となるシングルで、MBS/TBS系アニメ『ゾイドワイルド』のオープニングテーマとなっている。もちろんサブスク解禁が今作の売上げ向上の要因につながっているとは限らない。しかしこうした事例が共有されることで、二の足を踏みがちな日本の音楽業界が少しずつ変化していくのに期待したい。

新進気鋭の作家陣と組み“再スタート”を歌ったシングル

 DISH//は4人組のダンスロックバンド。3月にベースの小林龍二が脱退し新体制となってから初のリリースである。「Starting Over」、つまり“再スタート”を意味する表題曲は、アップテンポで疾走感のある夏らしい爽やかなサウンド。そこからは、4人になってもなお健在な彼らの勢いを感じ取れる。また今回は、前作シングル曲「勝手にMY SOUL」に続く“新井弘毅×DISH//”の好タッグだ。

DISH// 『Starting Over』MUSIC VIDEO -Short Ver.-

 デビュー当初は小倉しんこうによる作曲が多い印象であったが、徐々にさまざまな敏腕作曲家や有名なアーティストを迎え入れてコラボレーションを図ってきた。印象強いのが前山田健一が楽曲提供した「JK//」。前山田特有のハイテンション感とDISH//の元気いっぱいなイメージとが上手く融合した快作であった。そういったコラボを通じて、バラエティ豊かに己のイメージを更新し続けてきた。

 今作の編曲にはTomi Yoも共同で参加している。前々作『僕たちがやりました』収録のカップリング曲の「猫」(作詞作曲:あいみょん、編曲:Tomi Yo)以来となるTomi Yoと、ここ何枚かのシングルに関わっている新井弘毅とともに新進気鋭の作家陣と組み、DISH//の再スタートを歌った楽曲と言えそうだ。

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