『どうせ夏ならバテてみない?』インタビュー
ましのみ、1stシングルで描いた“夏”の鮮明な情景「ただ浅いだけの恋愛を描いても退屈だと思った」
1、2曲目が夏の昼間なら、3曲目は夏の夜がテーマ
ーーそこからの3曲目の「コレクション of コネクション」で、雰囲気がガラッと変わります。
ましのみ:1、2曲目が夏の昼間の楽しい、ザワザワしたような雰囲気なので、この曲では夏の夜をテーマにしようと思って。夏ってすごくテンションが上がりやすいからこそ、落差も激しいと思うんです。特に花火大会のときっていろいろ起こりやすいじゃないですか。告白した、告白できなかった、振られたとか。そういういろんなことがある日の、人々と別れてひとりになったときの夜。ストーリー的にも失恋に近いような経験をした女の子を描いている曲で、「コレクション of コネクション」というタイトルもサビに出てくる〈数いる大好きな人分の1にすぎない〉の部分に表現されていると思っていて。でも、一番奥にあるテーマは恋愛に限らないと思っていて、人それぞれ価値観が違う、見えているものも同じかどうかわからない中で、「好きだよ」と言った側と言われた側が「好き」を違う捉え方をしている。受け取った側がもっと重く捉えていた「好き」、告白側はもっと軽く捉えていた「好き」、でも本当にお互い「好き」と思っていたとしたら誰も悪くないけど裏切られたっていう気になったりと、そういうことが人間関係を進めていく中で難しいところだなと思っているんです。でも、そういうことって誰も悪いわけではないから、現実の中では怒りもぶつけづらいし、ただ悲しいだけ。この曲もひとりの孤独な夜に「私だけじゃないんだ」と寄り添える曲にしたくて、素朴なアレンジで、ピアノもあまり激しくせず、ペダルも踏まずに弾いて、歌もリバーブをかけすぎず、部屋でぽつんと歌っている情景が浮かぶアレンジにしました。
ーーそれこそ1、2曲が花火がパーンと打ち上がる感じだとしたら、3曲目はパッと散って消えたあとの静寂じゃないけど、その余韻を感じさせるようなところがありますね。
ましのみ:そうですね。夏ってそういう両極端が詰まった季節だと思うし。夏の夜って私もかなり好きなので、そういうところを表現したいなと思いました。ひとりの人間の中にもいろんな側面があるわけで、私が夏を表現するならという3曲が書けたと思います。
ーーこういうワンテーマで何かを作りあげるという意味では、新たな挑戦でもあったわけですよね。
ましのみ:はい。したことがないことをするのがすごく楽しいので。特に何も与えられていない中で思ったことを書くことも私の中ですごく大事だし、今回みたいに夏というお題があって書く曲も、それこそ挑戦という意味で楽しいし。両方ないと成り立たないと思います。どっちかだけだと、曲を作るのがしんどくなりそうなので。
目の前に見えていることをいかに良くするかに注力したい
ーーましのみさんにとって、今年は学生としての最後の夏なわけですが。
ましのみ:怖いこと言いますねえ(笑)。悲しいですね。ちっちゃい頃から学生として夏休みを過ごしてきたのに、それが終わっちゃうってことですから。でも楽しかったですよねえ、小学生の頃の夏休みって。
ーーなんで小学生の頃の夏休みって、あんなに時間を持て余しながらも楽しかったんでしょうね。
ましのみ:友達と近所のスーパーに行って試食するとかフードコートで喋るとか、そんなことぐらいしかなかったし(笑)。でも、大人は大人の楽しさがあるってみんな言うから、それを信じようと思います(笑)。
ーー今年の夏は何かやってみたいこと、ありますか?
ましのみ:お祭りは行きたいですし、1回ぐらいは花火大会にも行きたいし。あと私、大学1年生のときに簡単浴衣を買ったんですけど、不器用なのか毎年着られないので、今年こそは着たいですね。私、そういうベタなイベントが好きなんですよ。なので、日光に勝てる範囲で夏を満喫したいなと思ってます。
ーー夏フェスはいかがですか?
ましのみ:実は去年、初めて夏フェスを経験しまして。『SWEET LOVE SHOWER』に行ったんですけど、楽しかったですよ。私、ステージよりもお客さんのノリに目を惹きつけられて。普段からそんなにライブに行くタイプでもなかったので、そのノリ方が新鮮で「みんなプロだ!」って感心しちゃいました。日が暮れてきたときの景色も本当に素敵でした。
ーーでは、出演する側としてはどうですか?
ましのみ:夏の曲を出したことですし、やっぱり出たいですよね。いろんなお客さんの前で歌えるし。私、日光に勝てるような目的があれば大丈夫なんですよ。日光を避けなければいけないって思うほどの弱い用事だと引きこもるんですけど、そこを乗り越えてまでも外に出たいと思えれば大丈夫なので(笑)。
ーーなるほど(笑)。ちょうど前回お話したときに、先のことについて「どれくらいまで考えてますか?」と質問したら「今はこのへん(と目の前を指す)くらいまでしか、はっきり見えているものがなくて」と言っていましたが、今はどうでしょう?
ましのみ:前回よりは今いる場所が前に進んでいるけど、あまり変わらずというか。でも、何が起こるかわからないからこそ、目の前のことを一番に考えてやっているほうが気合いの入り方やメンタル的な面でも一番良いんだろうなと思ってます。そもそも私が一喜一憂しやすいというのもあるんですけど、不安定なことって結局想像すればするほど不安になっていくし、逆にめちゃくちゃガチガチに決めちゃうと、それがちょっとでも崩れると「もう無理」って思ってしまうし。きっと完璧主義者なんでしょうね。
ーーだからこそ、今はこのシングルをいかに多くに人に届けるかに注力しようと。
ましのみ:そうですね。あとは9月にワンマンライブがあるから、そこに向けて今回の曲をライブでどういうふうに聴かせるか、みんなでどう盛り上がっていこうかとか、本当に目の前に見えていることをいかに良くするかということに注力したいと思います。
(取材・文=西廣智一)
■リリース情報
『どうせ夏ならバテてみない?』
8月1日(水)発売
表題曲先行配信中
◆iTunes
◆AppleMusic
◆Spotify(7/16~7/31)先行配信専用
◆LINE MUSIC
◆レコチョク
◆mora
◆mysound
【初回限定盤】CD+DVD ¥2,000(本体)+税
【通常盤】CD Only ¥1,200(本体)+税
<収録曲>
【CD】
M-1.どうせ夏ならバテてみない?
M-2.海水掛け合いっこ
M-3.コレクション of コネクション
M-4.どうせ夏ならバテてみない? (Inst.)
M-5.海水掛け合いっこ(Inst.)
【DVD】
V-1.どうせ夏ならバテてみない? Music Clip
V-2.どうせ夏ならバテてみない? Making
V-3.Digest of「 ぺっとぼとリテラシー~別途ほとばしる
ショータイムへようこそ~Vol.1@Shibuya WWW X」
■ライブ情報
『ワンマンライブ「ぺっとぼとリテラシー ほとばしるバテで夏を締めくくりまショータイム Vol.2」』
9月8日(土)open16:00/start17:00
代官山UNIT
料金¥3,500(税込・D別)
※学生割引有り(学生¥500キャッシュバック/当日受付時に学生証提示)
※一般発売は8月1日(水)18:00〜