横浜流星、Rover×JINのタッグで引き出された歌声の魅力 ティーンの心掴むデビュー曲から分析
ティーン世代から人気の若手俳優・横浜流星が、GReeeeNのプロデューサー・JINによるプロデュースのもと、ユニバーサルミュージックのVirgin Musicからアーティストデビューを果たした。
6月25日に配信リリースされたデビュー曲「今日もいい天気 feat. Rover (ベリーグッドマン)」は、フィーチャリングアーティストにベリーグッドマンのRoverを迎えたラブソング。発売日の夜に実施された『横浜流星アーティストデビュー記念インスタライブ』は総視聴者数2万人超え、歌詞サイト「歌ネット」リアルタイムランキングでは1位を獲得するなど注目を集めており、12万人以上のフォロワーがいる自身のInstagramには「まっすぐな声と歌い方ですね」「聞いててとても心地がいいです」といった感想コメントが多数寄せられている。
横浜流星と言えば、初めて買ったCDは『塩、コショウ』というほどのGReeeeNファンであることでも知られ、菅田将暉らと共演した2017年公開の映画『キセキ ―あの日のソビト―』ではGReeeeNのナビ役で出演。劇中グループ・グリーンボーイズのメンバーとして楽曲「声」のサビパートを担当し、歌番組で生パフォーマンスも披露していた。
2019年公開の映画『愛唄』の主演にも抜擢されているなど俳優の仕事も絶好調な中、アーティストとしての頭角も現し始めた横浜流星。デビュー曲「今日もいい天気 feat. Rover (ベリーグッドマン)」は、Roverのラップと美しいハーモニー、そして横浜流星の最大の武器ともいえる透明感ある甘い歌声がベストマッチした爽快なナンバーだ。どちらも共通して〈あなた〉を想う温かい気持ちが滲み出ているようなやさしい歌声であるが、かといってそれぞれの魅力がぶつかっているわけではなく、2人の声が合わさるとそのやさしさは「前向きな強さ」に変わる。これはプロデュースを手掛けるJINの、アーティストの内面性を引き出して最大に生かすという特性を持ったディレクションの力が大きいのかもしれない。そんな3人のコンビネーションによって、〈今日もいい天気 今日もいい天気/あなたに会いたい もう一度だけでいい〉というストレートなメッセージがそのままの純度を保ったまま、まっすぐにリスナーの耳に届く作品に仕上がっている。
横浜流星×Rover×JINのタッグだからこそ引き出された魅力に加えて、横浜流星のアーティストとしてのポテンシャルの高さも、今回の楽曲が持つパワーの源となっている。アーティストデビューをするにあたり横浜流星は「新しいことに挑戦できるということは役者として何かに繋がると思いますし、お芝居とはまた違った形で、歌で表現できるということが、素直に嬉しく思っています」とコメントしていた。もともとファンでもあるJINとの再タッグ、そしてRoverという自身と同じくティーンや若い世代から支持されているアーティストとのフィーチャリングを通して、自分の歌声を開放する楽しさを見出し、嬉々として新しい表現にチャレンジする姿勢が、先日公開されたミュージックビデオに映る表情からも伝わってくる。
多くの人々の共感を得るものは、いつでも素直すぎるほどまっすぐなものだ。横浜流星×Rover×JINによる今回のタッグは、改めてそれを世の中に提示したように思える。そして、透明なものほど他の色をきれいに反射させることができるように、まだアーティストとして色がつく前の今の横浜流星だからこそ、今楽曲とうまく作用し合い、ストレートなメッセージがまっすぐに伝わる作品が完成したのだろう。
■渡邉満理奈
1991年生まれ。rockin’on.comなどのWEB媒体を中心にコラム/レビュー/ライブレポートを執筆。趣味は読書でビートたけし好き。
■リリース情報
デジタル配信
「今日もいい天気 feat. Rover (ベリーグッドマン)」
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