doa、新作アルバムで示した豊かな音楽性 希代のヒットメーカー徳永暁人の才能を紐解く

 サーフロック的なフレイバーを感じさせるオーガニックなナンバー「愛LAND」、ラテン、昭和歌謡的なテイストが混ざり合ったアッパーチューン「SATURDAY NIGHT FEVER」、アコースティックな手触りのアレンジのなかで“ありきたりでかけがえのない幸せ”を描いた「シアワセ」などバラエティに富んだ楽曲が揃った本作。徳永のメロディセンス、そして“コーラスとアコギ”というフォーマットは全曲に共通しているのが、なかでも印象的なのは“Lead Vocals:doa”とクレジットされた楽曲だ。まずは「シェイブアイス」。カントリー、ジャグバンド風のサウンドのなかで“冷たい女の子との恋愛”をテーマにしたコミカルな歌が広がるこの曲は、冒頭からエンディングまでほぼ全編に渡って3人のハーモニーで構成されている。この曲に代表される軽妙なハーモニーもまた、doaの魅力だ。もうひとつはアルバムの最後を飾る「Everybody 今この時を輝いて」。オーセンティックなロックンロールをベースにしたバンドサウンドのなかで吉本、大田、徳永はメインパートを歌い継ぎながら、生き生きとしたハーモニーを響かせる。まさにdoaの真骨頂と言える楽曲だろう。

 以前インタビューした際、3人は口を揃えて“doaはライフワーク。肩の力を入れず、マイペースで続けていきたい”という趣旨のコメントをしていたが、そのスタンスは本作『ISLAND』にもしっかりと受け継がれている。希代のヒットメイカーによる質の高い音楽と豊かなハーモニー、そして、リラックスした雰囲気、プロフェッショナルの技術と大人の余裕を含んだ本作をぜひ、ゆったりと堪能してほしいと思う。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

アルバム『ISLAND』

■リリース情報
アルバム『ISLAND』
7月4日(水)発売
¥3,000(税抜)

<収録曲>
01. 愛LAND
02. HOME SWEET HOME
03. SATURDAY NIGHT FEVER
04. HERO
05. シアワセ
06. エンヤコラ
07. シェイブアイス
08. オンリーユー
09. You belong to me
10. BURNIN' BURNIN'
11. MAYDAY
12. Everybody 今この時を輝いて

doa 公式サイト

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