『第10回AKB48 世界選抜総選挙』は松井珠理奈が1位 開票結果とメンバーコメントから見えた未来
6月16日に愛知・ナゴヤドームにて、『第10回AKB48 世界選抜総選挙』が開催され、SKE48の松井珠理奈が19万4,453票で1位に輝いた。
記念すべき10回目、さらに海外48グループを含めた世界選抜総選挙として注目された今回の総選挙は、誰が勝っても初の女王になるというのが最大のポイント。3連覇を成し遂げた指原莉乃、その盟友であった渡辺麻友が不在の中、本拠地である名古屋開催で追い風が吹くSKE48の松井珠理奈、指原の3連覇という栄冠を引き継ぎたいHKT48の宮脇咲良、2年連続の速報1位でファンの度肝を抜いたNGT48の荻野由佳による三つ巴の争いが予想されていた。
事態が大きく動いたのは、4位に荻野が呼ばれた瞬間。大方の予想に反し、トップ3にSKE48の須田亜香里がランクインしてくるという番狂わせ。そして、3位に宮脇が呼ばれた瞬間、松井はSKE48の勝利を確信し、須田と勢い良く抱擁を交わした。11歳の頃から松井は総選挙に出馬し続け、初年度から数えて唯一の10年連続の選抜入り。昨年からおよそ8万票を増やし、悲願の女王の座を勝ち取った。「今日は泣きません。だって感謝しかないもん」という言葉から始まったスピーチは、フジテレビによる生中継が残り2分しかないことを告げられていながらも落ち着いた様子で語られ、威風堂々とした王者の貫禄を感じさせた。総選挙がゴールというくだりから、代々引き継がれている“卒業宣言フェイク”もかました松井。さらに戦わないといけないところとして、次はAKB48グループを1位にすることを力強く宣言し、ナゴヤドームに集まったファンを熱く鼓舞させた。
この“AKB48グループを背負って立つ”というマインドは、ほか上位メンバーのスピーチからも自然と滲み出ていた。2位の須田のスピーチの「世間の人は、そんなに48グループに興味がない」「今こそ自分を武器にして個性を出して、48グループの旗を掲げて戦っていくべき」とメンバーを奮い立たせた言葉。そして、AKB48として最高順位である5位にランクインした岡田奈々は、姉妹グループに1位争いを開け渡している状況にAKB48人生を全力で生き抜くことを誓い、目の前にいるファンをあえての“オタク”呼びで「自信を持ってオタク人生を貫いてください!」と扇動した。13位にランクインしたAKB48の向井地美音は、AKB48グループセンター試験で1位に輝いた、ある種最もAKB48グループ愛に溢れたメンバー。周りからの人望も厚い向井地が、新しい夢として「総監督になりたいです」と横山由依からのバトンをいつか受け継ぐことを目標に掲げたことも、未来のAKB48グループの姿を垣間見せるものであった。
ほかにも、選抜メンバーのトピックを振り返っていくと、昨年から約6万票と大きく票を増やしながら3位に終わってしまった宮脇の総選挙ラスト宣言。昨年の不出馬からブランクがあった今年の総選挙で強さを見せた武藤十夢は、速報発表時にツイートしていた予言通りの神7入り。9位と10位にはHKT48から矢吹奈子、田中美久が仲良くランクインした。アンダーガールズでは、昨年、今年の速報と圏外だったNGT48研究生の奈良未遥が21位に飛び込んできたのは、誰もが予想だにしなかった出来事。SHOWROOMの裏生配信でも、彼女だけは順位のプレートがなく、手書きでの対応となっていた。