メジャーデビューアルバム『SSFW』リリースインタビュー

大阪☆春夏秋冬が語る、波乱万丈のキャリアから生まれた強さ「“てっぺん”を目指すことは譲れない」

 大阪☆春夏秋冬が6月12日にメジャーデビューフルアルバム『SSFW』をリリースする。

 大阪☆春夏秋冬は、MAINA、ANNA、MANA、EON、YUNA、RUNAの6名からなる、大阪発のボーカルダンスグループ。同アルバムは、グループが掲げる“カタヤブリな浪花のロックンガール”というキャッチフレーズの通り、ロックサウンドを軸にしたパワフルな楽曲はもちろん、ジャンルの枠に捉われない彼女たちの魅力が凝縮された渾身の一作となっている。

 2012年の結成から波乱万丈なサクセスストーリーを経て、ここから更に大きなステージへと歩みを進めようとする大阪☆春夏秋冬。グループの軌跡を振り返りながら、新アルバムに込めた想い、今後の展望について熱く語ってもらった。(編集部)

「今のスタイルは変化というよりも進化」(MAINA)

ーー最初に大阪☆春夏秋冬のこれまでの歩みを振り返りたいと思います。前身グループ・万葉シャオニャンを経て、2012年にRUNAさん以外の5人が参加する7人組グループとして結成されます。

ANNA:もともと“日本の四季折々に咲く花の素晴らしさを全国に届けていこう”というテーマで活動していましたが、途中から“カタヤブリ”をテーマに、“春夏秋冬オールシーズンかたやぶっていこう”というスタンスに変わりまして。それこそ今の大阪☆春夏秋冬の形態、“歌って踊って音楽の素晴らしさを届けていく”というスタイルになる前は、お花を持って踊ったりしてました(笑)。

MANA:15cmぐらいのめっちゃ高いヒールを履いて、“王道のアイドル”みたいな。

MAINA:ちなみに、マイクもみんなで回して全員で歌ってました。

ANNA:今みたいにリードボーカルを決めないで、それぞれに歌割りがあって。音楽プロデューサーさんが変わってからは、自分たちの強みを活かせるのはやっぱりダンスで、MAINAのリードボーカルの強みも出していけるのがベストな形かなと。

MANA:でも、ずっと教えてくださっている先生や事務所の方のこだわりとして、必ずお花をどこかに入れていたり、こういう和服を着させていただいてます。やっぱり日本の素晴らしさは忘れたくないし、お花の要素も入れていただきながら今があります。

MAINA:それに、メンバー全員が日本舞踊を経験しているから、和服というつながりもあります。だから、今のスタイルは変化というよりも進化したと言ったほうが正しいのかもしれません。

ーーなるほど。その頃は、皆さんどういう目標を持って活動に臨んでいたんですか?

YUNA:目指す場所や立ちたいステージとか、そういう目標が昔は明確じゃなくて。まだこの世界のことをあまり知らなかったんですよ。でも、さまざまな人と出会っていくうちに、目標や夢が明確になっていきました。

ANNA:それこそ、最初に『TOKYO IDOL FESTIVAL』(以下、TIF)からオファーをいただいたのが2015年やったんですけど、その1年前から「TIFに出たい!」っていう話をメンバー同士でしていて。事務所の方にも「どうやったら出られるんですかね?」と相談していたんです。

MANA:「(TIF事務局に)メール送ってください!」ってお願いしたり。

ANNA:それこそ、EONちゃんなんて……。

EON: TIFを主催している方のTwitterを覗きにいって、こっそり「いいね」を付けてました。

他のメンバー:あははは!

EON:TIFとはあんまり関係ないツイートに「いいね」して、大阪☆春夏秋冬をアピールしてたんですよ。

ーーリプライは直接的すぎると。けなげですね(笑)。

EON:はい(笑)。こっそり、ひっそりと迫っていきました。

ANNA:その効果はなかったと思うんですけど(笑)、2015年にオファーをいただきました。その年の出演をきっかけに“TIFで見つかったアイドル”と言われるようになって、少しずついろんな方に見ていただけるようになったんじゃないかと思います。

「メンバーを見ていると『肝座ってるな』と思う」(MAINA)

ーーちょっと時系列が前後しますが、RUNAさんが2014年11月に加入します。加入前、大阪☆春夏秋冬についてはどう思っていましたか?

RUNA:ダンススクールの発表会のゲストに大阪☆春夏秋冬が出演していて、そのときに観るぐらいだったんですけど、「ああ、すごいアイドルなんだな」って。お花を持って踊っていたので。

他のメンバー:(笑)。

RUNA:「あ、アイドルや~」みたいな。一緒にレッスンを受けていた人たちが、ステージでアイドルとしてパフォーマンスしている姿を観て「すごいな」と思っていたら、事務所の方に「新メンバーとして入らないか?」と声を掛けていただいたんです。

MAINA:でもその新メンバーには候補が何人もいたんです。その中からRUNAが選ばれたんですけど、選ばれた理由がまたすごくて。

RUNA:声を掛けていただいてから1年間、スキルアップの期間をいただきました。その1年間は事務所の方から加入に関して何の連絡もなくて、「これ、大丈夫かなぁ……」と思っていたんですけど、レッスンを地道に続けていたら、1年後に認めていただけたという.

MAINA:事務所の方から聞いたんですけど。RUNAだけが1年間、何も言わず一生懸命頑張っていて。普通やったら不安になってやめたり、サボったりするじゃないですか。だけど、RUNAは芯が強かったというのもあって、耐え続けた。諦めなかったというのが、大阪☆春夏秋冬にふさわしかったらしいです。

ーーRUNAさんのみならず、芯の強さというのは大阪☆春夏秋冬の皆さんに共通するポイントなんでしょうか?

MAINA:メンバーを見ていると、確かにそれは感じます。「肝座ってるな」「さすがやな」と思うことが多いです。

ーーそれは、どういう瞬間に感じますか?

MAINA:ライブパフォーマンスですね。私がステージで歌っていると、横にいるメンバーのオーラをすごく感じるんですよ。例えば全員でひとつになったときは同じ色なんですけど、一人ひとりのときはビビッドな色を放っているんです。

ーービビッドというのはすごくわかる気がします。その感覚が、ダンスや歌の強さにも表れているなと。

MANA:あと、ほぼ毎日メンバー同士で大阪☆春夏秋冬についてミーティングをするんですけど、そこで出てくる何気ない会話でも「私はこう思うから、ここはこうしたい」とかこだわりが強くて。そういう瞬間、メンバーに対してリスペクトすることが多いですね。

ANNA:ライブで音が止まってしまったときも、自分を含めて誰も「ヤバい、どうしよう?」みたいな顔をすることなく、お客さんが最後まで楽しんでもらえるようにパフォーマンスするし、音がなくても最後まで歌いきれたりするところに「根性あるな」と感じます。

MANA:特に、私たちのことをあまり知らない人が多いアウェイのライブのほうが、メンバーがワクワク、キラキラしていて(笑)。その瞬間に「おお~、肝座ってんなぁ」と思っちゃいます。アウェイを楽しんでいるんですよね、みんな。

EON:逆にボルテージが上がるな。

MAINA:初めて東京に遠征したときは、すごい広い会場にお客さんが5人ぐらいしかいなかったし、そういう経験があったから、みんな肝が座ってるのかな。

「シンデレラストーリーじゃないからこその泥臭さ」(ANNA)

ーー2015年のTIFがブレイクポイントになったものの、続く2016年は若干停滞した印象がありました。

MAINA:正直、歯がゆさを感じることもありました。だけど、そのおかげで自分たちが今やりたいこと、目指したいところを明確にできた気がします。

MANA:周りから見たら勢いがなくなったなと思われる時期があったのはわかっているんです。けど、その間もずっとレッスンはしていたし、前に進もうとメンバーとずっと話し合っていました。

ーーそこはネガティブに考えるよりも、プラスに捉えていたと。でも、その経験があったからこそ、昨年の10月のメジャーデビューにつながったわけですもんね。

MAINA:あれは嬉しかったなぁ。

ANNA:2012年に結成しているので、正直「やっとか!」というのもありました。

MANA:でも、決まったときも一回喜んだあとに「今でよかったな」って話したのをすごく覚えていて。2015年に“TIFで見つかった”と言っていただいたときにメジャーデビューじゃなくて、自分たちを見つめ直す期間があって、どう前に進むかをみんなで話してからメジャーデビューさせていただけたことはありがたいし、本当に今でよかったなって思います。今でなければ、きっと気持ちの強さも全然違っていたと思います。

ーーそう考えると、メジャーデビューまでの5年というのは必要な期間だったんですね。そういったところを含め、このグループからは“泥臭さ”を感じることが多くて。

全員:(笑)。

EON:でも、ほんまにそのとおりですね。

ANNA:シンデレラストーリーじゃないからこその泥臭さ、はあると思います。

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