兵庫慎司の「ロックの余談Z」 第21回

Theピーズの日本武道館から1年 休止状態にしびれを切らせ、「一人ピーズ」を観に行ってきた

 というわけで。2本とも、とてもとてもいいステージだったんだけど、それを観た僕の率直な感想は、

 この人、1stアルバムの曲名で言うなら「このままでいよう」と思ってるかも。

 でした。

  「一人ピーズ」に取り組む姿勢が真剣だし、シリアスだし、「お客が喜ぶ人気曲やりましょう」ってだけじゃなくて、昔の曲と最近の曲を混ぜつつ新曲もやってるし、それをライブで磨いて行っている感もあるし。

 あと、何よりも、楽しそうなのだ、本人が。2002年に復活して以降のTheピーズは、活動に制限ありで、そんなに数多くのライブは行えないという前提で動いて来た。はる、それについて納得はしているものの、やはり可能ならもっと精力的に活動したいという思いはあった、ということが、1年前の日本武道館の時に明らかになった。という件についても書いているので、しつこいですが、まだの方はこちらをどうぞ。

 でも、ひとりだったら、オファーが来れば気軽に動ける。オファーを出す方も気軽に出せる、というのもあるだろう。ここ1年の「一人ピーズ」での精力的な活動は、自分から動いたというよりも「声がかかったら行く」という感じだったのだろうと思うが、そしたら月に5本も6本も予定が入る、つまりバンドの時よりもいっぱいライブできるので楽しくなってしまったのではないか、と、思うわけです。

 うーん。確かにいいライブだったけども。でも、やはり、正直、バンドで観たいです。「一人ピーズ」をやめろ、とは思わないが、以前のようにバンドと並行にしてもらえるとうれしい、やはり。

 その後、2018年6月は「一人ピーズ」のライブが5本あり、7月は「一人ピーズ」5本とバンドTOMOVSKY1本、8月はフェス出演2本が入っている。なお、7月6日の神戸旧グッゲンハイム邸と7月14日の新宿紅布は「一人ピーズ」でワンマン。

 まだチケットあるのかどうか知らないけど、お近くのファンの方、足を運ぶ際はTheピーズ日本武道館Tシャツを着るなどして、無言で「待ってるんですけど」アピールをなさるのがよいかと思います。

 私も、これ以降も、ちょいちょい追っかけようと思います。

■兵庫慎司
1968年生まれ。音楽などのライター。「リアルサウンド」「CINRA NET.」「DI:GA online」「ROCKIN’ON JAPAN」「週刊SPA!」「CREA」「KAMINOGE」などに寄稿中。フラワーカンパニーズとの共著『消えぞこない メンバーチェンジなし! 活動休止なし! ヒット曲なし! のバンドが結成26年で日本武道館ワンマンにたどりつく話』(リットーミュージック)が発売中。

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