ストリートダンス史に残る名勝負も! 日本一のダンサー決める『DANCE ALIVE HERO’S』レポ

 日本は、世界でも有数のダンス大国だ。ヒットソングにのせて老若男女が踊る社会現象も起きた。ダンスは中学教育の必修科目にもなった。多くの人がダンスに親しみを持つようになった一方で、ダンサーが進む道は相変わらず険しいのがリアルなところでもある。ダンスで世界のトップに立つには何をしたらいいのか、そのルートはまだまだ未開拓だ。

 ダンス界のスターを作りたい――。そうして生まれたのが、ストリートダンスイベント『DANCE ALIVE HERO’S』。スタートしたのが2005年。それから毎年動員数を拡大し、今や1万2000人を超す世界最大規模のストリートダンスバトルの場となった。

 2018年4月22日、今年も全国各地の予選を勝ち抜いてきた猛者たちが、決勝の地・両国国技館に集結。さらに、このイベントを盛り上げるべくPKCZ®、GENERATIONS from EXILE TRIBE、E-girls、FANTASTICS、®AG POUND、J.S.B. Underground、世界+Beat Buddy Boiら、豪華ゲストによるショーケースも実現した。アンダーグラウンドもメジャーも手を取り合って、日本をダンスカルチャーの中心にしようと盛り上げる。

 今まさに、ここからダンス界の歴史が塗り替えられようとしている。『DANCE ALIVE HERO'S FINAL 2018』の会場に足を踏み入れた瞬間、その予感は確信に変わった。本レポートに目を通したならば、次はぜひ会場でその熱気を体感してほしい。

ライブで生まれるドラマの数々!

応援にも熱が入り、会場はまるで格闘技の大会のような興奮に包まれていた

 『DANCE ALIVE HERO’S』の見どころは、なんといっても1対1の緊張感溢れるダンスバトルだ。ダンスファンにとってはもちろん、初めて見る者も見た瞬間にその凄さがわかる。その明快さがダンスバトルの魅力だ。カテゴリーはスタイルごとに分かれており、HOUSE、BREAK、HIPHOP、ALL STYLESに加えて、中学生以下のKIDS、そして3対3で行われる大学・専門学校対抗のRIZEの計6スタイルで戦う。

後半では観客もジャッジに参加することができた

 国技館のステージに立てるのは、年間を通じて7地区で行なわれる予選大会から勝ち上がったダンサーたち。そして今年から実績者が招待バトラーとして参戦した。組み合わせは当日の抽選で決められ、ステージに上がるまで観客は知らない。対決時に流れる音楽もDJがその場で選曲したもの。楽曲を聞き、1分という限られた時間をどう使うか、即興で構成を組み立ててムーブを披露するのが腕の見せどころだ。

ここでしか見られないドリームマッチ!

 当然ながら、ステージに立つダンサーは日本最高峰の実力者たち。特に決勝戦は夢のようなカードが揃う。

 KIDSでは、小学生の頃からこのイベントで成長を遂げてきた優弥/YUYAとTHE D Sorakiが王座をかけて激しくぶつかった。RIZEは絶大なチームワークを持つ東洋大学と、個性が爆発する慶應義塾大学が青春のすべてをかけて対決。HOUSE対決では、25年以上のキャリアを誇るPInOが新世代を担うKAZANEを迎え撃った。そしてBREAKでは日本のブレイカー代表格であるKakuとKATSUYAがヘッドスピンとエアートラックスの得意技を炸裂させた。

 特筆すべきは日本KRUMP界を牽引し続けている「Twiggz Fam」のTwiggzと、世界からも注目を集める「KING OF SWAG」のYuseiが、チームの誇りをかけて戦ったHIPHOP対決。プライドとリスペクトを打ち合い、お互いの良さを引き出し合うまさに世紀の一戦だった。

「Twiggz Fam」のTwiggz。決勝でも観客へのサービス精神は旺盛だ

 そしてクライマックスは何が飛び出すか予測不能なALL STYLES。前回優勝者のUMAに挑むのは、前日予選で締め切り20分前にエントリーし急きょ来日が決まったアメリカ人ダンサーのSoul。独特なスタイルで注目を集め、ラストムーブでは靴を手にはめて踊るというサプライズで会場の心を掴んだ。(各バトルの映像はこちら

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