荻原梓のチャート一刀両断!
ヒットシングルは“バラエティ豊かな収録曲”がキーに KAT-TUNら並ぶ最新チャートから考察
参考:2018年4月30日付週間シングルランキング(2018年4月16日~2018年4月22日 ・ORICON NEWS)
今週のオリコン週間チャートは1位がKAT-TUN『Ask Yourself』、2位がラストアイドル(シュークリームロケッツ)『君のAchoo!』、Juice=Juice『SEXY SEXY/泣いていいよ/Vivid Midnight』という順位結果となった。
1位のKAT-TUNは前作の『UNLOCK』以来約2年ぶりとなる復帰作で、3人体制での初の作品となる。今回、シングル扱いながらも全形態を合わせると7曲分(オリジナルカラオケを除く)が収録され、ほぼミニアルバムのようなリリースとなった。
表題曲「Ask Yourself」は、跳ねるベースと重厚なエレクトロサウンドを土台にドラマチックな弦のアレンジが光る楽曲となっている。サビの冒頭では彼らの歌声だけでなく低音部がしっかりと強調されていて、全体の音像としては黒くダークな印象を受ける非常にKAT-TUNらしい楽曲だ。例えばベースの音色ひとつとっても、KAT-TUNのグループカラーを感じ取れるものとなっている。ところどころセクシーに歌い上げるボーカルも特徴的だろう。
彼らのこうしたイメージを決定付けたのは言うまでもなくデビュー曲の「Real Face」だろうが、あの曲で<リアルを手に入れるんだ>と歌った彼らに今、<追いかけても すり抜けてく 真実の居場所><雲の隙間から差し込む 柔らかな光はReal?>と歌わせるのはなかなか面白い仕掛けだ。まさにそのデビュー曲「Real Face」の3人バージョンとなる「Real Face#2」が収録されていたり、通常盤のカップリングには他にも「Sweet Birthday」といった曲名もあり、新たなKAT-TUNのスタートを予感させるものとなっている。
さらに通常盤の初回プレス仕様ではメンバー3人それぞれのソロ曲が収録。中でも、シンガーソングライターの大森靖子が作詞作曲にクレジットされた上田竜也による「俺メロディ」は激しいメタルアレンジの施されたパワフルな楽曲だ。表題曲のみならず、こうした充実したカップリング曲が揃ったシングルである。