アーティストを“再現”するステージは増えるか? 『ハーフタイムショー』プリンスの例を機に考察

 また、ジェイ氏は、フランク・ザッパのホログラムとバンドメンバーが一緒にライブで演奏をするというパフォーマンスで、各地を回るツアー形式のショーで行なったことや、オペラ歌手のマリア・カラスのホログラムの周りでオーケストラが生演奏する世界ツアー(初日は東京)の開催にも触れ、その魅力を以下のように語る。

「プリンスもそうですが、デヴィッド・ボウイなど大物アーティストや故人のホログラムを使ったパフォーマンスを世界ツアーで観たい、と思っているリスナーは多いと思いますし、今後もこうした取り組みは増えていくと思います。人気があってライブのチケットが取れなかったり、来日が頻繁ではなかったアーティストが、ホログラムとはいえ実際にバンドメンバーと一緒に生演奏してくれるのを目撃できるのは、非常にエンターテインメント性の高い体験でしょう。最近では『LA LA LAND - IN CONCERT』のような映画音楽を再現するコンサートも増えています。そうしたコンサートで俳優がホログラムで登場して、周りで生演奏することも十分に考えられますね」

 通常の映像と異なり、より立体感のあるホログラムはライブやコンサートの新たな楽しみ方として注目を集めていきそうだ。逝去や引退など生で観ることが難しいアーティストのパフォーマンスを追体験できる技術として、さらなる進化を遂げていくことを楽しみにしたい。

(文=村上夏菜)

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