『THEカラオケ バトル』『歌唱王』『音楽チャンプ』……素人の歌唱力競う番組が増えているわけ
最後に木村氏は、老若男女関係なく好まれるポピュラーソングで競い合うという番組の仕組み自体が、多くの視聴者に支持される大きなポイントであると解説した。
「素人が出演する歌番組では、昔流行った曲が歌われることが多い。年齢が高い方にとっては、懐かしいし、10代20代の若い人にとっては新鮮に感じられ、名曲の良さを改めて堪能できます。また、ただの歌謡ショーだと、あまり視聴率が見込めませんが、カラオケで点数を競うような形であれば、番組としてのメリハリが生まれ、エンタメ性も加わるので、視聴層が広がります。さらに『THEカラオケ バトル』などは、ガチガチのプロ志向の方たちばかりではなく、されどNHKの『のど自慢』ほど緩くもない。そんな程よい雰囲気だからこそ、長く続いているのではないでしょうか」
素人の歌唱力を競う番組は、出演者たちの人間ドラマとともに、シンプルに歌声と楽曲の素晴らしさにふれることができる機会としてお茶の間から広く親しまれているようだ。
(文=戸塚安友奈)