『iKON X'mas LIVE 2017』レポート

iKON、歌とダンスで示した“ワールドワイド”な存在感 『iKON X'mas LIVE 2017』レポート

 BIGBANGの弟分として、2016年に鳴り物入りで日本デビューを飾った7人組グループ iKON(アイコン)。2017年は初のドームツアーなどで追加公演を含めのべ32万2000人を動員し、“韓国の象徴(アイコン)になるように”という意味を込めたグループ名にふさわしい怪物ぶりを見せた。今年最後の日本でのステージとなった12月9日・10日の『iKON X'mas LIVE 2017』(取材は12月9日)にて、その人気の秘密を探った。

 彼らにとっては初となるセンターステージの形式で行われた同ライブは、開演前からスクリーンに流れた「DUMB & DUMBER」のMVに合わせてiKONIC(iKONファン)たちが歌いだすなどホットなムード。オープニングではクリスマスらしいベルのSEが鳴り響き、アッパーな「B-DAY」からライブがスタートした。

iKON

 この日の見どころの一つが、アリーナの端から端まで移動できる“フライングステージ”を使った、縦横無尽なステージング。2曲目の「WHAT'S WRONG?」ではメンバーが二手に分かれてこのステージに乗り、会場全体を盛り上げていく。最初のMCで最年少のCHANが「今日のステージは特別です。ここにいるみなさん全員に会いに行きますので」と予告していたが、ステージとの距離感を感じさせないアイデアにiKONICたちも大喜びだった。

 ハンドクラップで会場を盛り上げた「SINOSIJAK REMIX」に続き、「サンタクロースじゃなくて、iKONが来ました!」(JAY)という前フリののちにリーダーのB.I、BOBBYのラッパーチームがステージに残り、「ANTHEM」がスタート。出だしの<iKON is coming to town>のシンガロング部分など、“荒々しさ”の強いこのナンバーで会場の体感温度を上げていく。作曲作詞もこなしグループのカリスマ的存在であるB.Iは大人びたクールさを感じさせるフロウを、BOBBYは天真爛漫さと抜群のリズム感が光るフロウを放ち、バトルするように曲を展開していく。同曲の中に<BOBBYとB.Iのコンビはマジ>というフレーズがあるが、並ぶと本当に絵になる2人だ。

 クリスマスライブらしいスペシャルな演出も随所にあったのだが、ボーカルラインが披露したダニー・ハサウェイのカバー「This Christmas」、そしてオーディション番組『K-POPスター4』の優勝者であるセクシーな女性ボーカリスト・KATIE KIMを迎えた「White Christmas」などのスタンダードなクリスマスナンバーで、会場は聖夜ムード一色に。こういった歌モノでは特に、甘いハイトーンを聴かせるJAY、ソウルフルな中低音を聴かせるJU-NEを筆頭に安定した歌唱力が光る。トラッドなニットがよく似合うSONG、ロングコート姿で王子様風のCHANなど、最強といえる“アイドル×白コスチューム”の組み合わせにも黄色い悲鳴が上がっていた。

 このクリスマスナンバーの合間には、先ごろソロデビューを果たしたBOBBYのソロコーナーも。韓国のラッパーサバイバル番組『SHOW ME THE MONEY』シーズン3での優勝経験を持ち、実力も折り紙付きといえるBOBBYは「SWIM」で縦横無尽なフロウを聴かせる。7人でいるときは笑顔がトレードマークの彼だが、こういったソロ曲では時おり、にじみ出るような色気を感じさせる。1人でこれだけの人数の心を揺らせる彼は、B.Iとは違ったカリスマ性の持ち主ともいえるだろう。続くR&Bナンバー「SECRET Feat. DK, KATIE」では、メンバーのDK、ゲストのKATIE KIMとコラボレーション。それぞれが別々のフライングステージで移動しながら、iKONICたちを沸かせていた。

 

 平均年齢21歳と若いiKONは吸収力も高いのか、MCでは特に日本語が上手なJU-NEやJAYがリードし「今回のライブは今までのステージとはちょっと違うから、歌いながらめちゃ難しかった、どっちがセンターか分からないから」(JU-NE)、「センターが決まってないからね」(JAY)などと、初のセンターステージの難しさを解説。特にJAYは鉄板ネタである「iKONの長男、ジナン(本名)です」に始まる自己紹介はもちろん、ジャズボーカリストを真似たJU-NEの歌い方に「ちょっと脂っこいけど」とツッコみ、さらにメンバーの学年を話すくだりで「早生まれだから、俺」と話し出し、ボキャブラリーの豊富さでiKONICたちを驚かせていた。ちなみにまだ日本語が苦手らしいB.IやBOBBYは体育座りや横になったりしながらボーカルたちのMCを聞き「ドンキホーテ行ってきていいですか?」(B.I)、「お前たち(MCが)長すぎる!」(BOBBY)とすねたりしていて、これまた観客の爆笑を誘っていた。

 またこの日は客席に隣接したステージ構造を生かして、iKONICたちに「好きなメンバーは?」などとインタビュー。「名前を読んで欲しい」「歌を歌ってほしい」といったいくつかのリクエストに応えていたが、男性ファンに「ダンスが上手くてかっこいい」と言われたDKが即興でブレイクダンスを披露したりと、リアクションの良さも黄色い歓声を集めていた。

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