デビューシングル『ヘルプ ユー』インタビュー

さとり少年団が語る、グループの歩みと3人の関係性「ストリートで備わったものは強み」

 スターダストプロモーション所属の若手男性アーティスト集団・EBiDANから新たなボーイズグループがデビュー。3人組ダンス&ボーカルユニット・さとり少年団だ。ボーカルの永玖(エイク)とダンサーの颯斗(ハヤト)、謙信(ケンシン)からなる現在全員高校3年生のさとり少年団は、2015年7月に結成され、同年9月初ストリートライブをミューザ川崎で開催。以降2年間、ストリートライブを重ねて腕を磨いてきた。高い歌唱力を感じさせるボーカルや、クールなラップ、研ぎ澄まされたダンスパフォーマンスを武器に、EBiDAN屈指の実力派とも目される。

 今回リアルサウンドでは、11月15日リリースのシングル『ヘルプ ユー』でCDデビューを果たした彼らにインタビューを行った。3人各々のプロフィールから、ユニットの成り立ち、地道に経験を積んだこの2年で得たもの、『ヘルプ ユー』収録曲、そして今後のグループ像まで、初々しい語り口で明かしてくれた。(鳴田麻未)【※インタビュー最後にチェキプレゼント情報あり】

さとり世代の救世主として、もっと夢を見て高みへ

ーーさとり少年団は2015年7月に結成されました。グループ結成を言い渡されたときはどんな心持ちでした?

永玖:びっくりもしたけど、グループを組むのはすごくやりたいことだったのでうれしかったですね。

颯斗:僕は事務所に入って最初のダンスレッスン当日に「この3人でグループをやります」って言われたんです。「ダンス&ボーカルユニット」が一番の希望だったので、その形になったのはうれしかったんですけど、やっぱり3人っていうところに最初不安はありましたね。最近5人とか10人とか人数の多いグループが増えてる中で、3人。しかもちっちゃいときから一緒にやってきたわけでもない、全然知らない人とだったので。

謙信:僕は、早くグループを組んで活動したいなってずっと待ち望んでたので、すごくうれしかったです。3人の中では僕が一番先にレッスンに入ってて、その2カ月後に永玖、3カ月後に颯斗が入ってきたんです。永玖は歌が、颯斗はダンスが最初からすごくうまかったし、同い年なので仲良くなりたいなって。それで永玖が入ったときに自分から声かけたんですよね。

永玖:初めてのダンスレッスンのとき、最初に声をかけてくれたのが謙信だったんです。人見知りなのでホッとしましたね。

ーーちなみに、さとり少年団というグループ名についてはどう思いましたか。

永玖:最初はびっくりしました(笑)。

颯斗:僕たち“さとり世代”なんですけど、この世代は欲がないとか高みを目指さないとかいうイメージが強くて、僕たち3人がさとり世代の救世主としてイメージを変えていこう、みたいな意味が込められてます(笑)。

謙信:今の若者は現実主義で安定志向だから、もっと夢を見て高みを目指していこうっていう世の中へのメッセージを届けられたらっていう。今の気持ちはホントにそうですね。

永玖、颯斗、謙信それぞれの経歴

ーー改めて音楽活動をはじめたきっかけとともに、3人それぞれの自己紹介をお願いします。

永玖:僕が音楽を始めたきっかけは……幼稚園の頃にお父さんの影響で、矢沢永吉さんのマネをして、リーゼントにしてサングラスかけて肩にタオルかけたりして歌ってたんですけど。

謙信:えっ!? 初めて聞いた! 写真見たいわ。

永玖:けっこうガチな感じで(笑)。「永玖」っていう名前も矢沢さんから取ってるんです。で、小学1年生のときに、親から「ドラムをやってみないか」って言われてドラムを始めて、3年生のときに大人の方とバンドを組んで、いろんなライブハウスに出るようになりました。

ーー天才ドラマーとしてテレビにも出たこともあるそうですね。

永玖:はい(笑)。それで後ろで叩いてるときに、前で歌ってるのもいいなあって思って、小学5年生でギターを始めたんですね。それからギターを弾きながら歌うシンガーソングライターとして活動してたんですけど、今の事務所に入ってダンスもやるようになって、今はさとり少年団のボーカルとしてダンスしながら歌ってます。

ーー小さい頃から表舞台で音楽活動し続けてきたんですね。音楽的に影響を受けたアーティストは?

永玖:Ken Yokoyamaさんがすごく好きで。たまたま健さん本人が僕のカバーした動画を見てくれて、ライブハウスに呼んでくれたことがあったんです。そのとき、やっぱり僕も同じようにステージに立って歌いたいなと思いました。

ーー伸びやかで若干ハスキーで、すごく魅力的な歌声ですが、歌はどうやって磨いてきたんですか?

永玖:最初はいろんなアーティストさんの曲を歌ってたんですけど、変声期を迎えてから高い声が出なくなっちゃったんですね。中学3年生から2年間くらい。そんなとき玉置浩二さんの「メロディー」っていう曲を知って、玉置さんの深みのある声をマネできないかなと思ってやってみたら、今までにない声が出るようになって。

ーー出てくるアーティストの名前が渋いですねえ。

永玖:はい。今もYouTubeとか見て研究してます。

永玖

ーーほかの2人から見て、永玖さんはどういう人でしょうか。

謙信:永玖は音楽面はすごくしっかりしててカッコいいんですけど、素は天然で。ライブのときもMCで何回も噛んじゃったりして。そのギャップが魅力ですね。

颯斗:普段はホワンとしてて、その場にいる人を和ませる力があるよね。

ーーわかりました。では2人目、ダンサーの颯斗さんお願いします。

颯斗:ダンスを始めたのは小学1年生です。ちっちゃい頃からテレビの前で、歌番組に出るアーティストさんのダンスのマネをしてて、それを見たお母さんが地元のダンススタジオに入れてくれたのがきっかけです。そこの先生がヒップホップの中でもオールドスクールとかニュージャックスウィングを踊っていて、中3まで同じ先生に習ってたので耳も体もそのへんがなじんでますね。アーティストでいうとGuyとかBoyz II Menとか。

ーー颯斗さんは3人の中で一番ダンスへの造詣が深いようですね。ブログにも「今やってるジャンルはね hiphop、pop、house、Lock、break、krump、jazz、バレエ、コンテンポラリー、R&B、SWAG。中でも好きなのはhiphopとR&B、SWAG」と書かれていました。

颯斗:高校に入ってからの3年間は好き嫌いなくやってます。ヒップホップだけじゃなく幅広いジャンルの知識とか理解が深まったと思います。s**t kingzさんみたいなR&Bにハマってた高1のとき、事務所に入って、さとり少年団としてやることが決まりました。

謙信:颯斗はそんな感じで、ずっとダンスをやってる人だよね。常に体を動かしてる。筋トレも毎日やってるしね。

颯斗:うん。ダンスに関しては自信があるし、ほかの人に負けられないなと思いますね。

ーーさとり少年団の曲の振付はどういうジャンルになるんですかね?

颯斗:曲によって違うんですけど、主体となってるのはR&B / ヒップホップですね。ここ数年流行ってる、三浦大知さんとかがされてるような緩急の強いダンス。止めと抜きがしっかりしてて、ダンスを知らない人から見ても、おおーってなるような振付が今のところ多いですね。

ーーちゃんと下半身を使うダンスですよね。

颯斗:そこは意識してます。僕らの曲だと一番難しい「BREAK ME DOWN」は、リズムをけっこう細かく取ってるし、ヒップホップのステップがマスターできてないとできないような振りが入ってますね。

ーーでは3人目、謙信さんお願いします。

謙信:僕は高1の4月に事務所に入って、そこから本格的にダンスを始めたんです。遡ると、小学4年生だった2009年にマイケル・ジャクソンが亡くなって、僕、それまでマイケルの存在を知らなかったんですよ。でもお母さんがたまたま録画した追悼番組で、「Thriller」のミュージックビデオを見たときにワーッと感動して。人生で踊ったことなんてまったくなかったけど、テレビの前で自分で練習するようになりました。その頃から家族とか親戚に「芸能活動すればいいのに」とは言われてたんですけど、けっこう恥ずかしがり屋で、レッスンに通ったりするのは拒否してて。それから月日が経って中3の夏、たまたまお母さんと東京に来て渋谷で買い物してたら今の事務所にスカウトされました。

ーーきっかけはマイケルだったけど、今、「こんなふうになりたい」と思い描く憧れはありますか?

謙信:未来像はまだそんなにしっかりしてないんです。でも、今身近にいる2人が歌とダンスそれぞれすごいので、自分も2人みたいにうまくなりたいなって思ってます。2人から学ぶことはすごく多いですね。

ーー謙信さんも最近ダンスの上達が目覚ましいと思いますが。

謙信:ホントですか? うれしいです。僕が心がけてきたことは、せめて大きく見せるとか、踊ってる時の目線を意識するとか。うまくなくてもとにかく堂々とやろうということなんですね。「どうしたらカッコよく見せられる?」とか颯斗に聞いて教わってるので、自分の技術が伸びてるのはこういう環境のおかげだなって思います。

ーーグループの中で謙信さんはどういうキャラクターでしょうか?

颯斗:とにかく元気印。ライブのときも盛り上げてくれるし、バックステージでもみんなのテンションを上げてくれるし。あと決断力があるなって。みんなでごはんを食べに行くとき、僕と永玖だと2人とも優柔不断でなかなか決まらないんですけど、謙信がいると秒で決まります(笑)。

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