欅坂46 渡辺梨加、アイドル&モデルとして大躍進 “ポンコツキャラ”からの成長を考える

 欅坂46の渡辺梨加が12月5日、グループとして初めてのソロ写真集『饒舌な眼差し』を発売する。同写真集は、事前予約数が想定していた以上に伸びており、初版10万部という、最近の写真集市場では驚異的な部数からのスタートとなる。また、今年7月からレギュラーモデルとなったファッション誌『LARME』 では、11月17日に発売される『LARME 031』で、同誌史上最速の単独表紙を飾るなど、渡辺のモデル活動に注目がある待っている。

欅坂46 渡辺梨加 1st写真集 『饒舌な眼差し』

 現在22歳の渡辺は、欅坂46で1,2を争う美貌を持つ最年長のメンバー。最年長ということもあり、グループの頼れるお姉さん的存在に見えるが、バラエティ番組でもポンコツっぷりをフィーチャーされることが多く、『欅って、書けない?』(テレビ東京)の「ポンコツ女王決定戦!」では初代女王に輝いている。メンバーからも妹のように可愛がられ、マスコット的な扱いを受けることもしばしば。そのほか、ジンベイザメのぬいぐるみに“アオコ”と名付けて常に持ち歩き、メンバーや番組MCが困惑するような発言をするなど、不思議な一面も持ちあわせている。かつて秋元康も「渡辺梨加はあれだけポンコツでも、何か憎めないものを持っている」(日経エンタテインメント! 2016年10月号)と語っており、渡辺はプロデューサー公認のポンコツキャラを確立した。

 欅坂46に入る前、就職活動を行ったがどこにも採用されず、通算50連敗という大記録を樹立していた渡辺。その就活中、高校時代にハマっていた乃木坂46のことを考えるようになり、欅坂46のオーディションを受けたという。基本はシャイで声が小さく、『欅って、書けない?』(テレビ東京/以下、けやかけ)では、渡辺だけピンマイクが用意されている。もちろん話すのも苦手。『けやかけ』の初期はロボットのように辿々しく話し、雑誌のインタビューでは、本人の言葉よりインタビュアーの発言の方が多くなることも。『BRODY』(2017年8月号)に掲載された渡辺の1万字インタビューは、彼女の「フフフフ」という笑い声が多くを占め、 「結局、8000字になりました」というライターのギブアップ宣言のような言葉で締められていた。

 しかし、渡辺の妹は「本当は大人しくない。よく喋るしギャグセンスが高い」と、姉のプライベートをリーク。お笑い番組が好きな渡辺は、実は持ちギャグも豊富で、楽屋女王的な一面も持っている。そんな渡辺の代名詞的なギャグが、ゴー☆ジャスの「君のハートにレボ☆リューション!」だ。渡辺が『けやかけ』で同ギャグを披露した際は、舞台裏のスタッフからもあたたかい拍手が起きた。普段大人しいからこそ、そのギャップがファンを魅了しているのは間違いない。ただし、志田愛佳の「君のハートに!」という掛け声がなければできないという弱点もある。そのギャグの縁で渡辺はゴー☆ジャスからサイン入り地球儀をもらったが、それをクシャクシャの状態で長沢菜々香の部屋に放置。癒し系と思わせて、不意に無情な行動をとるのも魅力的だ。

 そんなポンコツキャラの渡辺だが、最近はアイドルとしての考えに変化があったように思う。例えば、以前は『けやかけ』で「ブログ更新頻度ダントツの最下位」と突っ込まれていたが、最近は投稿の頻度が急上昇。写真集やイベントのこと、魚が苦手だった渡辺は「今までマグロしか食べられなかったけど、サーモンとイカも食べられるようになりました」など、たわいもないエピソードをブログで報告するようになった。

 また、以前の渡辺は、ジェットコースターをはじめとする苦手なものを最後まで拒否するタイプだった。しかし、5thシングル『風に吹かれても』のヒット祈願では、ギブアップ寸前に陥りながらも高い所から川に飛び込みファンを驚かせた。さらに11月11日に放送された『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)では、仲間由紀恵にトークをふられた渡辺がスイカを割ったエピソードを流暢に話し、デーモン小暮閣下などの笑いを誘った。これらは、普通の人からすれば些細なことかもしれない。しかし、2016年の書き初めで「人と話せるようになる」という目標を掲げていた渡辺にとっては、非常に大きな変化であり、成長であることが分かる。

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