androp『one-man live 2017 at 日比谷野外大音楽堂』レポート

andropは今“2度目の青春”を迎えているーーバンドの現在地を示した日比谷野音ライブを見て


 観客の声援を受けて登場したアンコールでは、メジャーデビューを控えるCreepy NutsからR-指定が飛び入りして「SOS! feat. Creepy Nuts」を披露。ここではこの日風邪で欠席となったDJ松永のスクラッチ・パートを急遽変更し、R-指定に「DJ内澤!!」と紹介された内澤崇仁がギターでスクラッチ音を表現するなどライブならではのパフォーマンスで観客をさらに盛り上げる。続いて初披露された来年1月公開の映画『伊藤くん A to E』の主題歌「Joker」は、疾走感溢れる演奏とニューウェーブ風のシンセが印象的なダンサブルな楽曲だった。2時間半以上続いたライブのラストは「Image Word」。ここでは一転、照明演出を最小限のものにとどめ、メンバー4人の演奏に焦点が当てられていく。この曲は現在のフレキシブルな活動に繋がる契機となった新レーベルの名前の元となる楽曲であり、バンド結成時に4人が初めて演奏した「andropのはじまり」の曲でもある。そして、この日屈指のシンプルな演出で披露されたこの曲は、今もなお彼らの前に広がる大きな可能性を伝えてくれるようだった。おそらくandropは今、次々に訪れる新たな可能性に胸をときめかせて、バンドとして2度目の青春を迎えている――。そんな4人の晴れやかな姿が、何よりも印象的なステージだった。


(撮影=橋本 塁(SOUND SHOOTER)、西槇 太一、上山 陽介)

■杉山 仁
乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、『Hard To Explain』~『CROSSBEAT』編集部を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』もはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

andropオフィシャルサイト

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