嵐 二宮和也は“アイドルのプロ”であるーー『あさイチ』で語った仕事と向き合う姿勢とは?
嵐の二宮和也が主演を務める映画『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』が11月3日より公開。それに先駆けて、ここ一週間ほどはバラエティ番組から情報番組まで、連日のように二宮がテレビに出演していた。
10月27日に放送された『NHKあさイチ プレミアムトーク』(NHK総合)では、約60分に渡り二宮が俳優業についてのトークを展開。番組の中でも「直の先輩はV6さん」と話していた、信頼のおける先輩・V6井ノ原快彦がMCを務める番組ということもあり、二宮が素直に自分の思いを語る貴重な機会となった。
番組では、二宮が俳優として活躍してきた軌跡をターニングポイントをおさえながら紹介。初のドラマ出演作『天城越え』(1998年・TBS系)で大正時代の少年を演じた際には、ジャニーズJr.では珍しい坊主頭にして役に挑戦。21歳の時に出演した映画『硫黄島からの手紙』(2006年)では、クリント・イーストウッドが「類まれなる才能の持ち主」と絶賛する演技を見せ、“俳優・二宮和也”が一躍脚光を浴びた。映画『母と暮せば』(2015年)では吉永小百合の息子役を演じ、『日本アカデミー賞』最優秀主演男優賞を受賞。そして、今回公開された映画『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』では、滝田洋二郎監督とタッグを組み、天才的な舌を持つ料理人を演じた。
なかでも、俳優としての二宮を評価する声に共通点があったのがとても興味深かった。『母と暮せば』の山田洋次監督は「二宮くんはセリフを工夫したり動きを考えたりする前に、自分の立ち位置を探している俳優。それは天性のもので、考えてやってるのではないでしょうね」と評し、映画『ラストレシピ』で共演、嵐ファンとしても知られる綾野剛は「エンターテイナーなので、その場所に立ったら誰よりも役者なんです。そこが彼のスゴいところで。いま自分が何を求められてこの場所に立っているのかってことを感覚的にもう分かってるんですよね」と二宮の存在感について熱く語っていた。
一方で、綾野は二宮の言葉で印象に残っているのが、「僕は役者ではなくアイドルなんだ」と語っていたことだという。それを受けて二宮は、「僕は嵐やってなかったら呼ばれてないです。忘れちゃいけないことだろうなというのは常に思いますね」と答え、自身が数多くの作品に出演できることは、あくまでも“アイドル・嵐”としての自分の経験があるからだと冷静に分析した。二宮は過去にも度々インタビューなどを通して、“自分は俳優ではない”という姿勢を常に貫いている。二宮と仕事をした人々は天性や感覚で自身の立ち位置を見つけることができているとしているが、一流の俳優たちとともに同じ舞台に立つ者として、自分の役目を全うするために最大限できること、それを探し求めた結果が今の二宮を作り上げているのではないだろうか。