<ハロプロ>20年間で発表された楽曲数は? “楽曲の定義”含め徹底調査
楽曲のタイプ別分類
2555曲を、大きく5種類のタイプに分類した。
1.【つんく♂楽曲】
モーニング娘。デビュー当時からのプロデューサーであり、ハロプロ全体のプロデュースも担当していたのがつんく♂。2014年10月頃よりプロデューサーの座を退いて現在は楽曲提供者という立場ではあるものの、やはりハロプロ楽曲におけるつんく♂作品の割合はかなりの量を占めている。
そんな「つんく♂楽曲」の曲数は1036曲だった。これはつんく♂が作詞作曲を行った数という意味だが、4つの例外も含めている。まず「ラップ補作」。ハロプロ楽曲によく参加している日本人ラッパーU.M.E.D.Y.が「Rap詞」「Rapアレンジ」等でクレジットされている曲が8曲あった(モーニング娘。'17「ジェラシー ジェラシー」、ハロプロ研修生「『恋したい新党』」など)。これはつんく♂とU.M.E.D.Y.がラップ部分を共作したのか、それともU.M.E.D.Y.がラップ部分をまるごと分担したという意味なのか、クレジットだけでは内実はよくわからない。また、曲中にラップパートがあってもクレジットが無いケースも見かける(モーニング娘。「恋愛レボリューション21」など)。
「訳詞」というクレジットがあるケースは2曲あって、中文詞が出てくるモーニング娘。「雨の降らない星では愛せないだろう?」と、全編英語詞のモーニング娘。'15「One and Only」。
つんく♂と他の人物が共同で作詞した「共作詞」は3曲のみ。中澤ゆうこ「恋の記憶」(作詞:中澤ゆうこ&つんく)と、カントリー娘。「北海道シャララ」「女の子の取り調べタイム♥ [ゲスト 石川梨華 (モーニング娘。)]」(2曲とも作詞:まこと&つんく)。意外に少なく思えるが、作曲をつんく♂以外の作家が行った曲まで範囲を広げると、もう少し増える。
そして最後、作詞をつんく♂以外の人物が行い作曲のみをつんく♂が担当した「作曲」ケースは29曲あった(「co・no・mi・chi」などのBuono!の一時期のシングルは作詞:三浦徳子/作曲:つんくのコンビだった)。これら4つの例外ケースを1036曲から間引くと994曲になり、それがつまりつんく♂が作詞作曲を行ったハロプロ楽曲の厳密な数と言える。ただ、歌詞部分を他の人に一部(あるいは全部)手伝ってもらったという意味では「1036曲がつんく♂楽曲」という言い方で構わないのでは、と個人的には思う(作詞全部を他の人に委ねた場合は別ケースにしたいという考え方も一理あるので、その場合は1007曲。いずれにしても1000曲前後ということになる)。
2.【つんく♂以外楽曲】
つんく♂以外の作家が作詞作曲を担当した楽曲は全部で663曲あった。その内オリジナル楽曲は473曲で、残り190曲はなんらかのカバー曲である(例えばBerryz工房「cha cha SING」、カントリー・ガールズ「涙のリクエスト」など)。その190曲中84曲はアルバム『FOLK SONGS』シリーズに収録されていたものとなる。
3.【準楽曲】
前項の1と2は、楽曲のサイズ的には平均3〜5分で、構造上は前奏〜Aメロ→Bメロ→サビ(1番)〜同(2番)〜間奏〜大サビ〜後奏というポップスの典型に則った作りの楽曲なわけだが、そこから外れているものをここではまとめて「準楽曲」と分類した。つまりアルバム内でのインタールード的な小品の曲だったり、セリフのみで構成されているような変則的な作りだったり、構造はポップスの典型でも曲時間が1〜2分だったり(ミュージカル用楽曲によく見られる)、といったケースのものである。
これは全部で435曲あって、その内ノーマルの準楽曲が34、ミュージカル曲が308、童謡ポップスのカバーが63、オリジナル制作の新作童謡ポップスが30、という内訳である。ミュージカル曲はサントラCD収録のものを対象としているが、ミュージカル曲でも3〜5分あって通常のシングル曲と大差ないようなものが多々あり、完全な分類にはならないということをお断りしておく(さらに言えば、通常曲でもミニモニ。のアルバム曲などのように1〜2分のミニサイズのものもあるのだが、分類上通常曲に含めている)。
ちなみに、2014年の前記事では「つんく♂が作詞・作曲を担当したものは1093曲」という結論が一旦出ており、今回は1036曲としたので昔の方が多いのだが、これはミュージカル用楽曲も含めていたからである。今回の記事では通常曲とミュージカル曲は分けて考えている。
4.【バージョン違いなど】
同じ楽曲でも、アルバム用にアレンジが変更されていたり、リミックスが施されていたりなどのバージョン違いが結構多い。全部で227曲あり、その内訳は「バージョン違い」153、「(カバー曲の)バージョン違い」7、「リミックス」59、「(カバー曲の)リミックス」1、「ライブバージョン」7となっている。
5.【ハロプロ内カバー】
発表されたオリジナル楽曲を、後続のグループやメンバーがカバーして歌い継いでいくのはハロプロの大きな特徴のひとつである。主にライブ現場で歌われるが、再レコーディングされる機会も多い。それらハロプロ内カバーはこの項目に分類した。全194曲で、内訳は「ハロプロ内カバー」34、「ハロプロ内カバー(トラック同一)」79、ハワイアンアレンジが13、TRANCE REMIXが15、一時期配信されていた「ハロカバ」シリーズが53。