OBLIVION DUST K.A.ZとKENが抱く、音楽への渇望「世の中の流れの5年先にいたい」

OBLIVION DUST、音楽への飽くなき渇望

海外でやれるバンド、っていうのはチャンスだと思って(K.A.Z)

ーーこのバンドの前って、何をしていたかというとーー。

KEN:K.A.ZとRIKIJIはバンドやってて、俺は大学に行ってたっていうバンド(笑)。俺は全然、本気で音楽をやる気なかったし。

ーークラブか何かで声かけられたんでしたっけ?

KEN:あ、そうそう。クラブでバイトしてて、音楽は大好きで、誰よりも詳しいぐらい自信があったけど、別にミュージシャンになろうとは思ってなくて。ただ、いきなり「KEN、ミュージシャンっぽいけど、歌えるの?」って聞かれたから。「歌えるよ、俺、なんでもできるよ」「デモあるの?」「あるよ」って。(デモは)ないんだけど(笑)。その晩、4チャンのテープでデモを作って、次の日持って行ったんです。

ーーあ、曲はあった?

KEN:あった。でも、ミュージシャンになんてなれない、そんな簡単なもんじゃないって思っちゃうんですよ、イギリスで育ってると。それなりに時間をかけないといけないし、覚悟が必要だった。イギリスのバンドってワーキングクラス出身が普通なのね……実はみんなワーキングクラスじゃない、フリしてるだけだってことをあとで知るんだけど(笑)。で、俺はワーキングクラスじゃないから、その時点でアウトなんですよ。だからミュージシャンになりたいとは思ってなかった。だから、オブリをスタートした時点では、K.A.Zのギターはすごかったけど、俺の歌はアマチュアだったから。

ーー最初からプロレベルだったK.A.Zさんからするとーー。

KEN:やめて、その質問(笑)。

ーー最初はどんな感じだったんですか?

K.A.Z:最初のドラムだったTAKAが、海外でもできるバンドをやりたいって言ったところから始まったんですね。その話をされて、興味を持って。洋楽を聴いて育ってきたから、海外でやれるバンド、っていうのはチャンスだと思って。最初はベースが海外のミュージシャンだった、っていうのもあって。

KEN:TAKAが、海外でもやれるバンドを作りたい、ベースはSimple Mindsのベース(デレク・フォーブス)が知り合いだからやってくれたので、新しくギターとボーカルを探してて。で、俺とK.A.Zに声がかかって、じゃあ1本ライブをやってみようっていうので、ロッククラブでやって。その時Simple Mindsのベースが来れなくて、hideと一緒にzilchを始めるところだったレイ(・マクヴェイ/元The Professionals)がベースを弾いたのね。彼がTAKAと仲がよくて、ボーカルとギターが決まる前からこのバンドをプロデュースするっていう話になってました。

zilchが始まる時だったから、hideとか、そのへんの関係者が、みんなライブに来ていて。それで「このバンドもいいんじゃない?」みたいなことになって、契約することに。zilchがレコーディングしてる隙間を縫って、スタジオを貸してもらったりとか、hideがすごく協力してくれて。でも考えたらひどい話だよね、19歳のロクに歌ったこともない少年に歌わせて、ライブ一回で「はい、デビューね」っていうのは(笑)。

世の中の音楽の流れの5年先にいたい(KEN)

ーーこのバンドでやれるはずだけどまだやれていない、これからやりたいことってあります?

K.A.Z:うーん……いや、あんまり考えたことないな、それ。曲にしても、やりたいことをやってるし。

KEN:どちらかというと、「まだいいものがある」っていう感じかなあ。自分の中にだったり、このバンドの中に、まだもっといい曲を作れるものがある。それがまだ何曲もあるっていうのがわかってるから。枯れた感じがないんですよ。「もう全部出し尽くしちゃったね」みたいな感じにはならない。もっともっといいものを作っていける自信があるし、まだ求められてもいると思うし。まあ、ライブに関しては今までどおりなんだけど、いいライブをやると思いますんで、よろしくお願いします! みたいな感じ。

K.A.Z:(笑)。

KEN:俺個人としては、基本的にはオブリって、いつも前にいてほしいんですよ。世の中の音楽の流れの5年先にいたい、というか。日本ってちょっと遅いんですよ、世界の音楽で言ったら。でもそれがちょうどよかったりする。で、それが流行った時に、「いや、もうやったけど」って言ってる自分が好き、みたいな(笑)。そこに対して誇りを持ってるというか。決しておカネに繋がらないんですよ。決して人気にも繋がらない。ただ、自分が間違ってなかった、感覚が正しかった、っていうことを証明したいのかも。

K.A.Z:敏感でいたいんでしょうね。新しい音楽が出てきたら、それに対して自分だったらこういうふうにアプローチして新しいミクスチャーを作る、みたいな。たとえば、90年代にオブリが活動を始めたちょっと後にLinkin Parkが出て来て、「あ、なんか、やりたい方向、同じかも」って思ったりとか。

KEN:その感覚は、音楽好きの人だったら誰でも持ってると思う。いちばん新しいものを自分が知ってたとか、そのバンドがまだ話題になってない時からチェックしてたとか、それって自分の中の誇りというか。それはミュージシャンであっても、ファンであっても変わりはないと思ってて。それを音にして証明してるっていうことが自分の中での誇りだったりするし。音楽に敏感で、音楽をわかっていて、音楽をリスペクトしている中で、自分たちもいい音楽を作れてるっていう。

(取材・文=兵庫慎司)

■サイン入りポスタープレゼント

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応募方法
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※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

<応募締切>
11月12日(日)まで

■ライブ情報
『20th Anniversary OBLIVION DUST "Zodiac Way Tour 2017-18"』
2017年
① 12月9日(土) HEAVEN'S ROCK宇都宮VJ-2 
② 12月10日(日)横浜Bay Hall 
③ 12月16日(土) HEAVEN'S ROCK熊谷VJ-1 
④ 12月17日(日) 甲府KAZOO HALL
⑤ 12月20日(水) 下北沢GARDEN 
⑥ 12月23日(土・祝) 長崎Drum Be-7
⑦ 12月24日(日) 福岡Drum Be-1
⑧ 12月28日(木) 高崎club FLEEZ
⑨ 12月29日(金) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
⑩ 12月30日(土) 柏PALOOZA

2018年
⑪ 1月6日(土) LIVE HOUSE浜松窓枠
⑫ 1月7日(日)名古屋Electric Lady Land
⑬ 1月8日(月・祝) 梅田CLUB QUATTRO
⑭ 1月13日(土) 仙台darwin
⑮ 1月14日(日)郡山Hip Shot Japan
⑯ 1月20日(土)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
⑰ 1月21日(日) 金沢AZ
⑱ 1月27日(土) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
⑲ 1月28日(日) 広島CLUB QUATTRO
⑳ 2月 ツアーファイナル東京公演、11月上旬発表

<チケット代>
スタンディング ¥5,940(税込/整理No有/ドリンク代別)

一般発売日 ※12月9日〜1月28日公演
2017年11月3日(金・祝)

OBLIVION DUST 公式サイト

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