D’ERLANGERがシーンに与えた影響は? トリビュート盤に見る“ジャンルで括れない”個性

「D’ERLANGER TRIBUTE ALBUM ~Stairway to Heaven~」全曲試聴トレイラー

 そして本作にはD'ERLANGERの“後続”たちだけでなく、同時代を駆け抜けた盟友Justy-Nasty、D'ERLANGER解散後にkyoとDIE IN CRIESを組むyukihiroのACID ANDROID、CIPHERやTetsuとCRAZEで活動をともにしたTUSKが在籍するTHE SLUT BANKS(TUSKはZi:Kill時代にもTetsuと活動をともにしている)、D'ERLANGERの近作でコラボレーションも果たしている都啓一が在籍するRayflowerと、バンドと深い関わりを持つ面々も参加。さらにエレクトロロックバンドGARIのYOW-ROWのほか、ピエール中野(凛として時雨)やERY(KiLLKiLLS)といったアーティストが参加することで、D'ERLANGERの影響力がどれだけ偉大なものなのかを実感できることだろう。

 CIPHERの書くエッジの効いた、親しみやすいメロディと鋭角的なギタープレイ。SEELA&Tetsuが織り成すパワフルでグルーヴィーなリズム。そしてkyoの存在感と艶やかなボーカル。そのどれもが個性的でほかの誰にも似ていなかったからこそ、オリジナルな存在としてここまで長きにわたり愛され続けてきた。そんな当たり前のこと、頭ではわかっていたはずなのに、こういうトリビュートアルバムという形で他のアーティストたちが表現することによって、その事実がより明確なものとなった。そんなトリビュートアルバムにLed Zeppelinの名曲から引用されたであろう「Stairway to Heaven」なんてタイトルを付けるところにも、思わずニヤっとしてしまう。再結成から10年、D'ERLANGERが「Stairway to Heaven」の先に見据えるものが何なのか、まだまだ楽しみは続きそうだ。

■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

■リリース情報
『D'ERLANGER TRIBUTE ALBUM ~Stairway to Heaven~』
2017年9月13日(水)発売
¥3,000円(本体)+税
<参加アーティスト>
ACID ANDROID/Angelo/INORAN×TERU×HISASHI×ピエール中野×ERY/清春/Psycho le Cému/Justy-Nasty/THE SLUT BANKS/DIR EN GREY/DEZERT/HYDE/MUCC/MERRY/YOW-ROW from GARI/lynch./Rayflower(50音順)

■ライブ情報
『J’aime La Vie deux TOUR 2017』
2017年9月30日(土)京都FAN J
2017年10月1日(日)浜松窓枠
2017年10月7日(土)高知X-pt
2017年10月8日(日)高松MONSTER
2017年10月14日(土)金沢EIGHT HALL
2017年10月15日(日)長野CLUB JUNK BOX
2017年10月21日(土)郡山CLUB #9
2017年10月22日(日)柏PALOOZA
2017年10月28日(土)福岡DRUM Be-1
2017年10月29日(日)岡山YEBISU YA PRO
2017年11月3日(金・祝)仙台darwin
2017年11月5日(日)札幌cube garden
2017年11月11日(土)梅田 TRAD
2017年11月12日(日)名古屋Electric Lady Land
2017年11月23日(木・祝)赤坂BLITZ

<席種・チケット料金>
・オールスタンディング
前売¥6,000(税込)/当日¥6,500(税込)
※ドリンク代別

・プレミアムシート ※KIDS BLUE先行のみ
札幌・赤坂公演のみ¥10,000(税込)(プレミアムグッズ付/ドリンク代別)
※未就学児童入場不可/小学生は要保護者同伴・有料

オフィシャルサイト

関連記事