卒業発表の乃木坂46 中元日芽香がグループにもたらしたものーーその活躍を振り返る

 続けて、取材を通して向き合った彼女の人柄については、次のように述べる。

「中元さんは、自身の発言がどう見えるかという細やかな配慮をしながら言葉を選んでおられるように感じます。ファンの方や他のメンバーが見てどう思うか、ひとつの要素だけが目立って見えすぎないかというバランスをみながら、グループ全体を考えて話されている方という印象でした。ラジオでの言葉の使い方やブログの文章もそうですが、発言の背景にそうした姿勢のブレなさを感じますし、ことさら強い言葉を選ぶわけではなくとも、説得力のある表現をされる方だなと思います」

 最後に、彼女の今後と今回の卒業発表が含むメッセージについて、香月氏は以下のようにコメントしてくれた。

「突然の発表に驚きはしましたが、ここまで説得力のある言葉を紡がれると頷くしかないですよね。参加が発表されている『アンダーライブ全国ツアー2017~九州シリーズ~』でも目を引くことは間違いないので、アンダーライブを牽引してきた彼女を含めた歴史の継承を見せてくれることに期待したいです。また、8月7日に更新された中元さんのブログでは体調面での不安や、他者の立場からそれを理解することの難しさについて触れられていました。かつてAKB48に在籍していた島崎遥香さんも最近、不調時に理解を求めることの難しさについて述べていましたが、グループが多忙になるにつれてメンバーの疲弊が生じることは避けられない一方、当人以外はそのことに対して無頓着になりがちです。特にパーソナリティまで含めて消費されやすいジャンルであるだけに、周囲の理解とケアの大事さをあらためて感じます。中元さんがこのタイミングで発信してくれたことでそれを省みる機会になりましたし、ジャンル全体で受け止めていかなければならない課題なのだと思います」

 中元の活動は『アンダーライブ全国ツアー2017~九州シリーズ~』を含め、もう少しだけ続く予定だ。その期間に彼女はグループに何を残し、ファンやメンバーは彼女の意志をどのように受け継いでいくことができるのだろうか。

(文=中村拓海)

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