亀梨と山下の“ディスコ歌謡”は12年でどう変化? 亀と山P『背中越しのチャンス』収録曲を読み解く

 そして面白いのが、やはり通常盤のカップリングに収録されている「Forever Summer」だ。こちらはトロピカル・ハウスのビートやボイス・チョップの手法を用いたエレクトロ・ポップ。DJスネイクあたりを彷彿とさせるサウンドを持った、夏向けのダンスチューンになっている。「♪ウォーオーオウ」という掛け声もEDM以降のモードだ。「背中越しのチャンス」と「逆転レボルシオン」はどちらも歌謡曲の時代のディスコをリバイバルしたものなのだが、この曲はまさに現行の海外音楽シーンのダンスサウンドを参照したものになっている。

 こうして3曲並べて見ると、とても面白い。この曲の並びから深読みできるのは、つまり亀と山Pの制作陣がトロピカル・ハウスを「現代のディスコ歌謡」として捉えている、ということだ。

 筆者としても、その見立てはとても正しいと思っている。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

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