森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.49
ゲスの極み乙女。、藤原さくら、シンリズム……プレイヤー陣の演奏にも注目したい新譜5選
声優としても人気の小松未可子による約3年ぶりのオリジナルアルバム『Blooming Maps』は、Q-MHz(畑亜貴、田代智一、黒須克彦、田淵智也によるプロデュースチーム)の全面プロデュース作品。シングル曲「Imagine day, Imagine life!」を含む本作のレコーディングには、優れたベーシストでもある田淵、黒須のほか、新井弘毅(G/ex.serial TV drama)、ナガイケジョー(Ba/SCOOBIE DO)、パスピエの三澤勝洸(G)、成田ハネダ(Key)といった多彩なミュージシャンが参加。アニメファンだけではなく、J-POPファン、ロックファンなど、幅広いリスナーにアピールできる作品に仕上がっている。凛とした雰囲気の声質を活かした楽曲、ナチュラルな前向きさを感じ取れる歌詞も、彼女自身のキャラクターと上手くリンクしていると思う。
2015年のデビューアルバム『NEW RHYTHM』で“若きポップマエストロ”という評価を獲得した1997年生まれのシンガーソングライター、シンリズムの2ndアルバム『Have Fun』。前作では緻密に構築されたサウンドメイクを提示していたが、ライブ、フェスなどの経験を経て制作された本作は、凄腕のミュージシャンを交えたバンドサウンドが軸になっている。その中心は小松シゲル(Dr/NONA REEVES)、藤井謙二(G/The Birthday)、高野勲(Key)、そしてシンリズムのベースによるアンサンブル。ソウルミュージックのテイストを爽やかなポップチューンへと導いた「彼女のカメラ」、軽やかなファンクネスを感じさせる「話をしよう」などの知性と肉体性を兼ね備えたナンバーは、シンリズムの新たな変化を明確に示している。宮崎朝子(SHISHAMO)とのデュエットによる「ショートヘア」も絶品だ。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。